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2018年8月12日 |
めぐり来る夏に |
はじめはニュースを他人事で見ていましたが、乗客名簿の中に教え子のお父さんの名前を見つけました。そして同級生の家族の名前も・・・。母校の大学教員の名前も・・・。 まもなく「体育科教育9月号」が店頭に並びます。 今回の「巻末エッセイ」には、123便のことを書いています。 連載している身としては、書店で購入してほしいのですが、 購入しなくても読んでほしいので、そのエッセイをここに 書き出しておきます。(出版社さんごめんなさい) そして 「めぐり来る夏に」をダウンロードして読んでみてほしいのです。 この教材文を読んでほしいのです。 (本当に読んでほしいのはエッセイではなく教材文です) 先生方、PTAや地域のみなさん、そしてすべての人に・・・ 人間の温かさ、差別の愚かさを感じ取ってほしいのです。 「めぐり来る夏に」 仲島正教(巻末エッセイ) あの日から33年経ちました。私の教え子のお父さん、同級生の家族の名前がありました。歌手の坂本九さんも。 1985年8月12日、日航ジャンボ機が御巣鷹山に墜落し520名の尊い命が失われました。その中に若き保健体育教師の田中愛子先生も含まれていました。わずか26年の生涯でした。 愛子先生へ 私は中学3年生の時、先生に保健体育の授業を教えていただきました。そんな中で、私には忘れられない授業があります。保健の授業で先生が言われたある言葉をノートにメモしたことを今でも覚えています。「一日一生涯」という言葉です。いつも熱く語ってくださる先生でしたが、その日の先生のお話はいつも以上に私たちの心に響くものでした。 それからしばらくたった8月の夜、飛行機の墜落事故を伝えるテレビのニュースに先生の名前が映し出されました。多くの友だちが電話をかけてきました。電話口の向こうで泣いている友だち。いつも明るく気さくに話しかけてくださる愛子先生は、私たちにとって大きな存在でした。(中略) 私は今、西宮市で中学校の教員をしています。世の中の色々な課題も、みんなで語り合っていけば解決できるということを、先生から教えていただいた「一日一生涯」の言葉と一緒に生徒たちに伝えています。 出来るものなら、もう一度お話がしたいです。でもそれは叶いません。今日を一緒に過ごす人たちと明日も必ず一緒にいられるとは限りません。「一日一生涯」。今日を丁寧に生きていきたいと思います。素敵な考え方の人は、いつまでも多くの人の記憶の中に生き続けます。先生が願われていた差別のない世の中が実現するように、私も自分の思いを伝え、多くの人と語り合っていきたいと思います。 兵庫県教育委員会は平成26年3月に、この手紙文を含めて、道徳の時間にも使える教材文を作成しました。教材名「めぐり来る夏に」は、愛子さんを亡くした父・蔚(しげる)さんの生き方が描かれています。ジャンボ機墜落に関連した部落差別の現実に怒りながらも、蔚さんの深い人間愛に心が温かくなります。また蔚さんの付記「娘が遺してくれたもの」では、人と人との繋がりに目頭が熱くなりました。人間とは何か、友情とは何か、愛とは何か。愛とは人に説くものではなく行うことなのだと。 全国の先生方にこの「めぐり来る夏に」を子どもたちにぜひ読んでやってほしい、そう願っています。道徳の授業で扱ってもらえると一番嬉しいのですが、朝の会でもいいのです。先生が読むだけでもいいのです。いじめや差別をなくしたい。人の命ほど尊いものはない。そんな蔚さんや愛子先生の熱い気持ちを子どもたちに伝えてほしいと思っています。 遺品の大学ノートに書かれていた言葉です。愛子先生の絶筆です。 人の命には限りがある だから自分の思うように生きたい 人は軽く、10年先、20年先を 口にするけれど そのときを大切にしなければ 今、光っていたい ※「めぐり来る夏に」は、「兵庫県教育委員会人権教育課トップ」を検索し、「中学生用教育資料きらめき(平成26年3月)」でダウンロードできます。 (体育科教育2018.9月号(大修館書店)より) 先生方にお願いです。 ぜひこの教材文をダウンロードして読んでください。 そして学校で、子どもたちに、保護者のみなさんにも この教材文を読んであげてほしいのです。 授業にしなくてもいいです。解説もいりません。 ただ読むだけでいいのです。 田中蔚先生、愛子先生が望んだ「差別のない世の中」にするために・・。 |
あの日の夜のニュースには釘付けになりました。羽田18時発伊丹行・日航123便の墜落事故のニュースです。事故の5か月前、私は日航123便で羽田から帰りました。「18時発19時着の123便」とすごく覚えやすい飛行機だったので印象に残っていました。
Posted by naka602 at 10:10
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