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2022年8月11日
フツーの校長、市長に直訴!
これは大阪市立木川南小学校の校長先生だった久保敬先生の著書です。「フツーの校長、市長に直訴!〜ガッツせんべいの人権教育論〜」(解放出版社2022.4.30初版)

覚えておられる方もいらっしゃると思いますが、
昨年4月に大阪市の松井一郎市長が「緊急事態宣言が出たら学校は
オンライン授業をする」と一方的にテレビ等で報道しました。
いつものことですが、維新は学校現場や校長と協議することもなく、
独断で決め、先にマスコミに発表するのです。

それに対して、木川南小学校の久保校長先生は、
「突然そんなことを言われても困る。オンライン授業についてはこれ
までも試行錯誤しながら現場は頑張ってきている。そんな中でネット
環境もまだしっかり整っていない中、突然言われると現場は混乱する。
現場の声をもっと聞いてから決めてほしい」
と市教委や「市民の声窓口」にも訴えるも、何も変わらずでした。

そしてとうとう市長に直訴という手段に打って出るのです。

5月に松井一郎市長宛に
「提言書〜豊かな学びの文化を取り戻し、学び合う学校にするために」
を提出しました。
提言書全文を私も読みましたが、素晴らしい内容でした。
それは突然のオンライン授業実施への抗議ではなく、教育のあるべき姿を
もう一度見直してほしいというて提言でした。(海外からも多くの評価)

それに対して松井一郎市長は、
「私とは考え方が違う。現場を混乱させたのはあなただ」
と久保校長を処分したのです。
信じられない愚行です。なんという市長でしょう。
これは専制政治です。文句を言う者は処分するなんて・・・。
絶対に許せないことです。これは民主主義ではありません。

かつて、政治が教育に介入して戦争が広がりました。
だから日本では、政治と教育は独立した組織にしているのです。
市役所と教育委員会は別組織です。
教育委員会のトップは市長ではありません。だから市長や知事などの
首長が教育委員会を好きなようにすることが出来ないのです。
それが戦後の日本の教育を守ってきたのです。

でも橋下徹元大阪府知事はそれが気に食わなくて教育委員会制度を
いじりました。改正はされましたが、それでも教育委員会の独立性は
保たれたままでした。そんな中、
松井市長はそこにも踏み込んで来て、教育長に処分を出させたのです。
教育長の任命権は市長にありますので、教育長は松井市長の言いなり
になったのでしょう。ロシアのプーチン大統領と重なるのです。

と、維新の文句を並べると止まらないのでここまでにしておきます。
身を切る改革とか吉村知事の爽やかさなどで、維新をいいと思っている
人も多いのですが、維新の危うい所もしっかり知ってほしいのです。
特に教育に関しては、本当にひどいです。
4月の西宮市長選挙では、維新の候補者が破れてホッとした教育関係者も
多かったと思います。私もその一人です。



で、前置きはここまでです。(長すぎる前置きです(笑))
実は、この久保先生の本を読んでみると
半分は「提言書」のことですが、あと半分は久保先生の教師としての
足跡が記されているのです。これがまためちゃくちゃいいのです。
〜ガッツせんべいの人権教育論〜 がサブテーマですが、
まさに「教育のあり方」が示されています。
これぞ教育、これぞ先生 なのです。
ここをみなさんに読んでほしいです。

「ガッツせんべい」です。「ガッツせんせい」ではないのです。
これが久保先生の素敵なところですわ(笑)



Posted by naka602 at 12:50 | TrackBack (0)
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