感染症予防ワクチン接種について

ワクチン接種に付いて考えてみましょう。

犬に関わるワクチン接種と言いましたら「狂犬病予防接種」が真っ先に思い出される
でしょう。
誰が考えたのでしょうか、「狂犬」などと日本名称が悪く犬特有の病気に感じますが、
アライグマやスカンク、コウモリ、キツネ、ジャッカル、マングース等の野生動物や犬や猫、
馬、牛に咬まれたり、引っ掻かれたりして出来た傷口から引き起こされる法定伝染病
です。

潜伏期間は通常20〜30日程度で、発病率は32〜64%。

海外で該当動物に噛まれたりしましたら、大至急医療機関にて適切な治療を受けな
くてはなりません。
今でも世界では年間4万人〜6万人が死亡しており、欧米を含む世界の大陸に現在
も存在しています。

日本での狂犬病は1957 年以降発生しておりませんが、一度発症すれば、致死率は
ほぼ100%の恐ろしい病です。
「狂犬病予防法」により、年1回のワクチン接種が義務付けられております。
ただし、アナフィラキシーショック等の副作用の発生の可能性もありますのでお気をつけ
下さい。


さて、接種が義務付けられていないこと自体が不思議なワクチンがあります。
きっと、人間の生命には全く関係ないからなのでしょうが寂しい話です。

犬ジステンパーウイルス、犬パルボウイルスの名はご存知ですか?

犬ジステンパーは「1匹でも発病した犬が現れると、町中の犬が感染し死んでしまう」
とも言われた、直接触れなくても感染してしまう(空気感染)、致死率50%〜90%
の病です。
更に恐ろしいことに回復できても、その内の50%は後遺症まで残ると言われます。

犬パルボウイルスなどは、わずか十数年前に日本中に大流行し、愛犬家を恐怖の坩
堝に陥れました。
発病するとトマトジュースの様な血便を忘れることのできない異臭と共に排泄し、衰弱
し、死んでいく…
ペットショップやブリーダー、多頭飼育者宅では、1度発生すると次々に犬達が感染し
、何も出来ぬままバタバタと倒れる愛犬を見守ることしか出来ませんでした。

どちらも目に見えないウイルスによる感染ですから、防ぐことも非常に難しく、有効な
予防ワクチンが現れるまでは神に祈る程度しか出来なかった本当に恐ろしい病です。

このように恐ろしい感染症が、たかが5千〜1万2千円程度で予防ワクチンの接種が
出来るのです。
必ず接種して下さい。


あわせて、犬伝染性肝炎、犬伝染性咽頭器官炎、犬コロナウイルス感染症、犬レプ
トスピラ病などの混合ワクチンの接種を毎年勧められるでしょうが、信頼できる獣医師
に十分な説明(インフォームドコンセント)を受けた上でお決め下さい。
ワクチンの種類、獣医師によって料金も違います。
ワクチンの種類が多いほど予防できる感染症も増えますが、種類が多いほど副作用も発生しやすいとの話もあります。
副作用で重篤な症状を表してしまうとワクチン接種でも命を落とす場合もあります。
又、毎年の接種を否定し、3年程度の期間を勧めている米国動物病院会(AAHA)等もございます。

接種時期ですが、私達は生後50〜60日で1回目、その後1ヶ月に2回目のワクチンを接種します。
これは、子犬は母犬から胎盤・母乳を介して貰った免疫が、約2ヶ月間体内で働き、徐々に消失していくためです。

母犬から貰った免疫が体内に残っている場合、ワクチンを打っても効果が現れません。
しかし、全ての子犬がきっちり2ヶ月で免疫が無くなると言うわけではありませんので、免疫が切れるであろう時期の約2ヶ月目と、念の為1ヶ月後の、最低2回の接種を行ないます。
なお、同居犬がいる場合には、万一の為に、3回目のワクチンを打つ事もあります。

ワクチンは接種後すぐに効果が発揮される訳ではありません。
ワクチンが接種されてから、免疫(抗体)が出来るまでに、2〜4週間の時間を要します。
ワクチンの効果が出るまでは、他の犬との接触は避けられた方が良いでしょう。
子犬の場合、外へ散歩に行ったり、外へ連れ出したりする時には、ワクチン接種後効果が現れる2〜4週間後以降にしましょう。

犬ジステンパー、犬パルボウイルスは、現在でも発生しており、確実な治療法もないままに生命を失う可能性が非常に高い感染症です。
予防ワクチンによって防ぐことが出来、飼育者にとっては接種が義務と言うべきワクチンです。


ちなみに実話として、獣医師より8回のワクチン接種を勧められたミニチュア・ダックスフンドを知っています。
しかも、8種と9種のワクチンをランダムに打たれておりました。
犬の健康を全く考えない金儲け第一主義の獣医の仕業です。
ワクチン接種を勧める私たちの話まで利用して知識の薄い愛犬家にワクチン接種を多数回おこないます。
1回の接種につき8千円掛かるのでしたら、8回の接種で¥64,000−!
8種と9種をランダムに打たれていたと言うことは、明確なポリシーがある訳ではなく、たまたま余ったワクチンを使用しただけでしょう。


あるペット販売事業社より、獣医師による治療費の差額の開きに摘発を受けました。
メスの柴犬で、パルボ検査→確定→そのまま入院→完治したケースです。
神奈川県の○○動物病院では、¥57,540−(全治療費含)であり、奈良の××獣医科病院では、¥167,543−(全治療費含)。
治療内容は不明ですし、地域差もあるのでしょうが、同じ犬種が同じ病から直った結果の治療費です。
ペット生命保険の加入の重要性と共に、私たちとしても十分に考える必要があるようです。
  
                                          2010.4/1



犬を家族の一員として迎えたのなら、何があろうと必ず感染症予防ワクチン(犬ジステンパーウイルス、犬パルボウイルス)は接種してください。
犬の種類、純血種、雑種(ミックス)、性別、飼育場所(室内・室外)、生体価格等にかかわらず絶対に必要なことです。

2010年、宮崎県で口蹄疫が発症し、30万頭にものぼる牛や豚等が殺処分されました。
国や県の専門家が最大限の努力を払い、細心の注意をし、莫大な費用をかけ、防疫対策をしても口蹄疫ウイルスが蔓延してしまいました。
口蹄疫では可能性のあるだけで牛や豚等を全頭殺処分します。
罪のない生き物を、他の動物に病気をうつさないためだけに殺さなくてはなりません。
このように目に見えぬウイルスを防ぐことは大変難しいことなのです。

お散歩、ドッグラン、公園、トリーミング(美容院)、ペットショップへ行っただけでも感染してしまうかもしれません。
病気を治しに行ったはずの動物病院感染するかもしれません。
1歩も外に出さなくとも、飼い主である貴方が服や靴についてしまったウイルスを自宅に持ち込み感染させてしまうかもしれません。

数千円のワクチン接種をするだけで、この恐ろしい感染症(犬ジステンパーウイルス、犬パルボウイルス)は防ぐことができます。
それだけで愛する犬の生命を守ることができるのです。
犬を飼うものの責任として、最低限この感染症予防ワクチン(犬ジステンパーウイルス、犬パルボウイルス)だけは接種することを忘れないでください。


1.感染症予防ワクチン接種に行きますと複数の感染症予防に効果のあるワクチンの接
  種を勧められると思います。
  (犬パルボウイルス感染症、犬ジステンパー、犬パラインフルエンザウイルス感染症、犬
  コロナウイルス病、犬アデノ2型感染症、犬伝染性肝炎、犬レプトスピラ症等)
  予防できる感染症の種類が多いほど、ワクチン接種費も値上がりします。
  また、予防できる感染症の種類が多いほど、副作用(アナフィラキシーショック)が現れ
  やすいと言います。
  獣医師に説明を受け納得できるワクチンを接種するようしてください。

  ちなみに、動物病院は全て自由診療です。
  全国で統一された治療費は決まっておりません。(法律により統一することが出来な
  いのです)
  ワクチン接種費も動物病院により異なります。
  数件の動物病院からあらかじめ価格を伺ってからワクチン接種を依頼しても良いと
  思っています。  

2.感染症予防ワクチンの接種回数は獣医師の考え方によって異なります。
  生後45日ごろに1回目のワクチン接種をおこない、その1ヶ月後に追加接種をし、
  更にもう1ヵ月後(生後3ヵ月半頃)に3回目の接種をおこなう獣医師もおります。
  生後60日頃に1回目のワクチン接種をおこない、その1ヵ月後(生後2ヶ月頃)に
  2回目の接種をおこなえば良いという獣医師もおります。
  その後は、毎年1度だけのワクチン接種をすれば良いというスタンスがほとんどです。
   
  ワクチン接種の目的は、親から受け継がれる抗体(移行抗体)が生後45日程度で
  消えてしまうため、ワクチンを接種し体に抗体を作ることですが、抗体が体に有るか否
  かは簡単には調べることができませんので、万全を期すために多めに接種をすることと
  なるのです。

  ワクチンを接種したからといって、接種後直ぐに抗体ができるわけではありません。
  免疫が出来るまでに最低でも2週間ほどは掛かると思ってください。
  その間にウイルスに犯されてしてしまえば、疾病に感染してしまいます。
  ワクチンの接種後1ヶ月弱はお散歩やお買い物などの外出は避け、飼い主さんも
  他の犬との接触は極力控えるようにしてください。

3.少ない確立ですが、獣医師の指導の下で毎年きっちりと感染症予防ワクチンの接
  種をおこなっていても病に犯されてしまうことがあります。
  実際に我が家から嫁がせたお宅の子が犬ジステンパーに感染し亡くなってしまいまし
  た。
  ワクチン接種により出来る抗体が少なかったことで感染したと思われます。
  又、ワクチン接種の副作用により体調を崩したり、顔面の浮腫(ムーンフェイス)や嘔
  吐、最悪の場合は亡くなるケースもございます。
  それでもワクチン接種をしなくてはならないのは、可能性として副作用で亡くなるよりも
  、感染症に犯され亡くなる可能性の方がはるかに高いからです。
  そのような事例もあるということを知識として紹介いたします。

※パピーズ・ママでは、我が家から嫁がせる子犬のオーナー様に基本的には感染症予
  防ワクチンの接種をお願いしています。
  6種予防で¥6,000−となります。
  他の動物病院とお比べいただきましても決してお高い料金ではないと思います。
  我が家で経費等を乗せておらず、動物病院からの実費です。
  まず1回目のワクチン接種を我が家で打つことをお勧めする理由です。
  @副作用等が現れた場合、経験豊かな弊舎にて対処できる。
  Aワクチン接種で副作用が現れる子を飼い主様に告知でき、注意を促すことがで
   きる。
  Bお引渡し後に子犬は初めて外部と接触することとなりますが、感染病に罹患する
   可能性を減らすことができる。
  
  2回目以降のワクチン接種はご自宅に子犬が慣れてからおこなうことができます。
  主治医にて健康管理と共に接種に行っていただくも良いですし、初めて行く動物病
  院の様子を伺いながら接種することも良い(ワクチン接種は簡単な行為ですから医 
  療ミスも少ないですし)と考えます。

                                          2010.8/1

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