ドッグ・ブリーダー「パピーズ・ママ」でも光栄なことに松木直章准教授ほかスタッフの方々にお越しいただき我が家のパグたちの検査をしていただけることとなりました。
この検査によりパグ脳炎に掛かりにくい体質がわかり、体質は遺伝致しますのでそのパグをブリーディングに適しているか、否かの見極めが付くこととなります。
パグ脳炎になりにくい体質ですと、パグ脳炎が発症する確率は非常に低いものと推測できます。
又、パグ脳炎になりやすいと判明した子の血統はブリーディング・ラインより排除することができます。
この検査にて我が家から嫁がせる子パグは、パグ脳炎が発症する確率が非常に低いものだと確証を持つことが出来、安心して育てていただけることとなります。
パピーズ・ママでは、今までパグ脳炎が発症したとの確認・報告を飼育している子達、嫁ぎ先からも一切受けておりません。
万一、パグ脳炎を発症した子がおりましたら、その血統は全てブリーディング・ラインより外すべきと確信しています。
パグ脳炎を発症した子の血統(親、子、兄弟等すべて)で子犬を産ませることは危険だと考えているからです。
先般、ドラマの影響よりパグの人気が高まっております。
今は大分人気も落ち着いたのですが、おかげで大きな負の遺産が発生致しました。
どんな仔犬であろうとパグと名の付くワンコを産ませれば高額で売買なされました。
心無いブリーダーは、沢山の仔犬を産ませたいが為に巨大なサイズの母犬を求めました。
(母犬が大きいほど、沢山の赤ちゃんを孕みます)
当たり前に、体重が10〜13kgもある巨大なパグも増えてしまったのです。
又、通常では決してブリーディングラインに入れない欠陥のある子も母犬としていたブリーダーもおります。
目の色がブルー、水頭症、性格が極度に荒い、サイズオーバー、親兄弟にパグ脳炎を発症した血統がある、股関節・膝間接形成不全…
遺伝学上は立証されてはおりませんが、長年の経験から、性格やお顔はママ似になる率が高いと思います。
ジャパン・ケンネルクラブ(JKC)でもホームページにて「臆病及び獰猛な性格を有する犬の子犬は性格が親犬に似るので注意が必要です。性格は非常に遺伝力が強く出現します」と注意を促しております。
意外とパグにも、攻撃性の強い子や無駄吠えの多い子もおります。
犬種的に、股関節形成不全等の遺伝性疾患や、ヘルニア、水頭症等にはご注意が必要です。
ご家族にお迎えの予定でしたら必ず親を見て、安心できるところからお迎え下さい。
最近、犬猫の格安店がございます。
通常のショップさんが絶対に求めない、はじかれてしまった子を仕入れるから格安で販売できるものとお考え下さい。
遺伝子不良、疾病持ち、スタンダードより大きく逸脱している子。
責任を持ってブリーディングを行っておりますと、当然必要な経費が掛かります。
遺伝的に良い親、食費、交配料、衛生管理費、医薬品、医療費、出産経費…
通常の価格より、3割も低い売価のお店はご注意下さい。
格安な値段や、安易な一目惚れで子犬の飼育を決めないで下さい。
信頼できないペットショップやオークションなどで子犬を購入しないで下さい。
15年以上は生活を一緒にする大切な家族です。
激安で選び、一生涯を動物病院に通い治療を行うなどとなれば、膨大な医療費になってしまいます。
パグの購入を真剣に考えている皆様へ。
パグ脳炎の本当に悲惨さを理解し、求めようとする子パグの血統に「脳脊髄液にGFAPというタンパク質」が見つかったか、否かの検査をしたことを確認してください。
高確率でパグ脳炎の発症を診断できる検査が確立したのですから、絶対に検査を行ったことを確認し、安心できる結果を見て購入をお決め下さい。
安易にパグ脳炎をお考えなら、インターネットで「パグ脳炎」と検索し、パグ脳炎の恐ろしさと悲惨さを再認識してください。
検査のしていない血統のバグは絶対に購入してはいけません!
パグのブリーディングをなさっているブリーダー様へ。
大至急、「脳脊髄液にGFAPというタンパク質」が見つかったか、否かの検査をしてください。
地域性により東京大学に遠く伺うことが難しい場合にも、信頼できる大学病院などで詳細な検査をしてください。
検査結果を東京大学の松木直章准教授にお伝えし判断を受けてください。
もしも「脳脊髄液にGFAPというタンパク質」が見つかった場合は、そのパグの血統は絶対にブリーディング・ラインから外してください!
どんなに犬質の高い犬であろうと、どんなに高価であった犬であろうと、ブリーディングに使ってはいけません。
体質は遺伝しますので、その血統のパグはパグ脳炎の発症率が高くなります。
あえて無視してブリーディングを行うということは、承知してパグ脳炎の犬を繁殖することとイコールだと思います。
検査方法がやっとのことで確立しようとしています。
パグ脳炎の恐怖を熟知しているブリーダーだからこそ、パグ脳炎を発症させる血統を排除しましょう。
これは「股関節形成不全」「膝間接脱臼」等の遺伝性疾患よりも、急を要し、確実に危険性を持つ血統を消さなければなりません。
ブリーダーとしての自信と自負を持って、パグ脳炎の排除に尽力を尽くしてください。
獣医師の方々へ。
パグ脳炎と判定される際は、より慎重になさってください。
このように情報が簡単に検索できる時代です。
飼育者にとって「パグ脳炎」と告知された時のショック・・・。
愛する子の命が確実に失われることを専門家から宣言されたのですから。
発作や痙攣を起こし病院に駆けつけら、安易な検査をしただけで「パグが痙攣を起こしたら大体はパグ脳炎だよ」「パグ脳炎にかかったら、もう助からない」「安楽死も考えておいて」
そう獣医師に言われたそうです。
そんな判断をされたと泣きながら相談を受けたこともあります。
十分に検査・診察してあげてください。
絶対の自信を持ってなければ宣告しないであげてください。
インフォームド・コンセントは過分にしてあげてください。
親身になってフォローしてあげてください。
パグ脳炎は、いつどのようにして掛かるのか、神頼みにて祈るしかなかった時代が過ぎようとしています。
簡単な検査で発症率の高い血統を確定できます。
体質は遺伝しますので、その血統での繁殖行為を停止してしまうだけでパグ脳炎は排除できるのです。
辛く悲惨で発症したら死を待つしかない病です。
私たち人間はパグの繁殖者としてパグ脳炎の排除に最大限の尽力を尽くさなければいけません。
2010.03/12
「パグの購入をお考えの皆様」、「パグのブリーダー」に必ずお読み願いたい!
まず1つ覚えておいていただきたいことは、純血種(血統書付犬種)にはその犬種ごとに多発する疾患を持っています。
ダックスフンド(ヘルニア)、ラブラドール・リトリバー(股関節形成不全/HD)、チワワ(転位膝蓋骨)、トイ・プードル(進行性網膜萎縮)などなど。
パグには「パグ脳炎」と言う恐ろしい疾患が好発生疾患として存在しています。
これは遺伝性によるもので、純血種として固定化する際に遺伝性疾患まで固有化させてしまったために犬種ごとに好発生する疾患が存在することとなります。
純血種であるが故の宿命でありますが、後述するようにブリーダーによる繁殖計画の見直しによって将来そのような遺伝性疾患を無くすことも可能であると考えております。
パグを飼育する中で最も恐ろしいもの・・・。
それは間違いなく『パグ脳炎/壊死性髄膜脳炎』であることは繁殖者、飼育者全ての共通認識だと確信しています。
非化膿性壊死性髄膜脳炎 (Necrotizing Meningoencephalitis)
パグ脳炎 (Pug dog encephalitis)
致死率が非常に高く、治療法もなく、成すすべなく死んでゆく恐ろしい病に付いて紹介します。
インターネットで「パグ脳炎」と検索すると、驚くほど多くの報告がなされ、ブログやホームページで治療法や延命法などの問い合わせや、闘病日記や治療記述などが悲鳴のごとく書き綴ってあります。
突如発症し、倒れたり、痙攣を起こしたりと言った水頭症や癲癇の様な症状を起こしたり、性格が変わったり、四脚に麻痺状態が起こったり、原因不明の白血球増加や金切声、盲目、意味の無い旋廻、失禁、傾斜を起こします。
最終的には重積発作や誤嚥により死亡するか、それ以前に安楽死が選択されます。
パグの発症が多い為に「パグ脳炎」と名付けられておりますが、ヨークシャー・テリアやパピヨン、マルチーズ、シー・ズー、フレンチブルドッグ、ポメラニアン、チワワ、ペキニーズにも発症が確認されております。
発症年齢も非常に若く7〜8ヶ月から5才程度(7才の発症例も)まで。
突然発症し、1日から数週間、長ければ数年で亡くなってしまいます。
原因は解明されておらず「遺伝」、「ウイルス」、「自己免疫疾患」ではないかと言われております。
限られた犬種だけに発症する為、遺伝的素因が関与されていると推測される方も多くおられます。
ただし、血縁関係のない同居犬同士が相次ぎ発症するケースも見られますので環境的素因が関与されている可能性も否定は出来ません。
ウイルスによる感染症である可能性すら捨て切れません。
どの様にしても、原因が分からない限り、決定的に防ぐ手段もない恐ろしい病であることに変わりはありません。
血液検査、一般的な脳脊髄液(CSF)検査では特徴的な異常は現れず、MRI(またはCT)で特徴的な脳病変が観察〔初期病変は大脳の髄膜直下または皮髄境界(灰白質と白質の境界)に起こる〕できます。
病変は数日-数週間で軟化・壊死し、大脳皮質は萎縮します。
専門の設備が整った大学病院等で脳髄液検査やMRI検査を受けないと正式な見解は得られません。
ステロイド(脳の炎症を抑える)や免疫抑制剤、抗生物質(免疫力低下による感染を抑える)やフェノバール(癲癇発作を抑える)による治療が一般的ですが、緩和的治療であり、現代医学では完治することはありません。
悲惨な病です。
原因も治療法も解明されておりません。
私達は遺伝の可能性が高いと考えておりますので、パグ脳炎を発症した血統は問答無用に一切排除するべきと思います。
又、感染してしまった子には可哀想で申し訳ないのですが、該当犬種の飼育者とワンコは発症したワンコに「近寄らない」「犬具、毛布、該当犬に触らない」など心掛けて下さい。
わずかな可能性でも有るのなら、細心の注意を払い、危険から身を避けるべきです。
大切な我が子を守るのは、飼い主の義務なのですから。
パグ脳炎に関しての国内第一人者である東京大学・獣医臨床病理学研究室の松木直章准教授より、2008.4.17付「犬の壊死性髄膜脳炎(パグ脳炎)の病態解析」と言うレポートがアップされております。
ご興味のある方、パグ脳炎を研究している方など是非ご拝読下さい。