出産に関しまして(先天性異常、先天性疾患、リスク、ハードル等)


育てていたワンコ同士が自然交配してしまい妊娠してしまった。
どの様に対処すれば良いでしょうか?

お問合せを頂く場合がございます。

本来でしたら、両親のブリーダーさんやお求めになったペットショップさんからお教えを請うべきなのでしょうが…
欧米では、その様な問いに答える事がプロの仕事であると認識されておりますが、責任を持ったプロに伺うと言うことは当然質問に対する費用請求が請じることであると理解されております。
アマチュア(愛好家)とプロフェッショナルとの差とは、この様なことかもしれません。
色々なご事情があると思います。
お気軽にお問合せ下さい。
ここは日本であり、お問合せに関しご請求云々なんてことございませんから。
同じワンコ好きのお仲間として分かる範囲はお答えしたいと存じます。

先日のお問合せでした。

我が家のダックスが妊娠しました。母犬はブラック・タン(チョコ因子あり)3歳、父犬チョコ タン・ダップル10ヶ月弱です。
交配させる予定はなく、獣医さんと相談して、父犬が1歳になったら去勢するつもりでお
りましたが、今回妊娠していることが分かりました。
大変嬉しい事なのですが、ダックスは掛けあわせによって、先天異常などが多いと聞き、いろいろ調べて心配になってしまいました。
一度、プロの方のご意見を伺いたいと思い、メールいたしました。
せっかく芽生えた命なのですから、大切にしたいのですが、もし、異常があり、一生を苦しませてしまうのはしのびないのです。
こちらのミスでこのような事態にしてしまったことは、大変可哀想なことをしてしまったと思
います。
特に、大きな心配はないのであれば、がんばりたいのですが・・・。どうぞ、ご意見をお聞かせください。

答えさせて頂いた内容をご紹介致します。

 「おはようございます。

 お問合せを頂きましてありがとうございます。

 ワンちゃんのご懐妊、おめでとうございます。
 ミスにより妊娠してしまったと嘆かれるより、新しい命の誕生を祝った方が幸せだと思い ます。
 そして、私達の出来るベストな選択肢を検討すれば良いと考えます。

 このメールから、カラー遺伝子に付いて分かる範囲のみ推測致しますね。

 私の学んだ知識からお伝え致します。
 カラー遺伝子は、まだ研究者の中にも意見の食い違いがあることをご承知下さい。

 推測できるカラー遺伝子座
 ママ(ブラック・タン(チョコ因子あり)) 
 atat Bb C− D− E− gg KK mm S− tt
 パパ(チョコタン・ダップル)
 atat bb C− D− E− gg KK M− S− tt

 メールから推測できる仔犬のカラー
 ブラック&タン
 チョコレート&タン
 チョコタン・ダップル

 カラー遺伝子から
 ・ブラック&タンの場合、チョコの遺伝子(b/ブラウン)は劣性なのです、お鼻やアイ
  ラインやコートの黒部分等に作用が及び若干チョコレート(茶)掛かってしまうかも
  しれません。
  健康には全く問題ございませんが、ドッグショー等ではマイナスポイントとなってしま
  います。
 ・ダップルが発生した場合(可能性は50%)、ダップルを発生させる遺伝子(male)に
  より、視聴覚障害、内蔵・脳神経障害等の発生の可能性がございます。
http://www2.bbweb-arena.com/puppy/myweb121_047.htm

血統書の問題
JKCならば、交配月齢は生後9ヶ月1日以上とされております。
近親交配でなければ発行には問題ないと考えます。
血統書取得には両親のJKC血統書以外にも会員登録・犬舎号登録・血統書申請等が必要となります。
数万円の費用負担を要する場合もございます。

アドバイスとして

上記はあくまでカラー遺伝子からの推測です。
その他の遺伝性疾患の有無は考慮していません。
遺伝性疾患に付いては掛かり付けの獣医師に相談し判断を仰いだ方が良いと思います。

又、ママの血統やボディーサイズ等により、自然分娩の可否も分かれます。
レントゲンにより骨盤の大きさなども分かりますからある程度は推測できると思います。
血統(祖母)の陣痛の有無、強弱等に付いては繁殖者に確かめるしかございません。
いずれにしても血統や遺伝性疾患やカラー遺伝に付いては、両親のブリーダーに確認される事がbestです。

ダックスは比較的自然分娩の出来る子が多いのですが、獣医師の指導の下、緊急の対応をお願いできるようにしておきましょう。
立会い分娩で衛生管理、胎盤の処理、臍の緒の処理等手伝われた方が良いと思います。

万一帝王切開となりますと、獣医師によって代わりますが数万円〜10万円程度の費用が掛かるとお考え下さい。
産後の肥立ちが悪いなど、その時々により更に医療費がかさむ場合もございます。

赤ちゃんは、なんらかの理由による死や自然死、産まれて蘇生できなかった等により思いのほか多くの仔犬が亡くなってしまうケースがございます。
最悪の場合、母犬にそのリスクが巡ってしまう場合もございます。
覚悟はしておいて下さい。
ほとんどの純血犬種は、改良を重ねて、ボディーサイズを小さくしたり、頭を大きくしたり(大きなヘッドの犬種は可愛らしく見えます)、体形を変え現在の犬種になっております。
犬は安産の守り神と言い伝えがございますが、実際には自然分娩は太古に比べ難しくなっているとお思い下さい。

他、細かく言うと限りはございませんのでおおまかに。

ミニチュア・ダックスフンドでしたら血統やボディーサイズによっても変わりますが、1〜4匹程度の赤ちゃんが産まれると思います。

赤ちゃんに授乳、オシッコ・ウンチの世話が出来ないママがおります。
・ママの幼少時、早い段階でお母さんから引き離され子育てを覚えられなかった。
・他のワンコとコミュニケーションが少ない為、自分自身を犬と思わず(人であると自覚
 してしまっている)、生まれた赤ちゃんが気持ち悪い。
・飼い主さんと遊びたい気持ちが先になり、子育てが出来ない。
・子育てする本能が疎く、子育て出来ない。
 この場合、飼い主さんが1ヶ月ほどの間、2〜4時間に1回程度の割合で世話をしな
 くてはなりません。

順調に育ちましたら仔犬の嫁ぎ先を考えなくてはなりません。
そのままお宅に残しておくならば避妊去勢をしなくては近親交配の恐れが発生してしまいます。
ペットショップやオークション等で販売する場合「動物取扱業」の取得が義務付けられています。
違反しますと違法行為として処罰の対象となってしまいます。
又、業者へ販売できたとしても小売価格の1〜3割程度にしかなりません。
商売として考えるならリスクに比べ利益が少な過ぎますのでお勧め出来ません。
里親に出すにしても転売の危険等も考慮しますと、友人知人に「大切に可愛がってくれる」ことのみを条件にお譲りすることでbetterではないでしょうか。

色々と乗り越えなければならないハードルもございますが、赤ちゃんの誕生は素晴しいものです。
大変に尊いものです。
あの感動はいつまでも忘れられません。

ダップルの危険性と言えども、お話を伺う限り片親のみのダップル(シングル・ダップル)ですからよほどの事がない限り決定的な先天異常も少ないと思います。
ダックスでしたら大概は自然分娩できると思いますし、仔犬を知人へ嫁がせるのでしたら血統書も不要で済ませられるでしょう。

他にご不明な点等ございましたらお気軽にお問合せ下さい。
本来は、親元のブリーダーさんやペットショップさんが対応すべきなのでしょうが、同じワンコ好きのお仲間として分かる範囲はお答えしたいと存じます。

母子共に健康であり、順調な安産をお祈り致します。」


                                      2008年8月15日


掛け替えのない大切な命です。

ご質問等ございましたらお気軽にお問合せ下さい。


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