1.草木染を、始める前に。
「草木染」という名称はごく一般的な言葉のようですが、
1930年、文学者の山崎斌(あきら)さんにより商標登録された創作語です。
商標権はその後ご子息の山崎青樹さんに引き継がれましたが、
「草木染を愛する人に自由に使用してもらいたい」という願いから、
やがて追加申請を放棄され、今では誰もが使える言葉になりました。
(ええ話やね〜)
【染料の分類】
合成染料による染色に対して、自然から得られる染料で染める染色法を、
草木染といいます。
広く草木染という場合、その中には必ずしも草木でない染料も含まれます。
合成染料 |
天然染料 |
植物染料 |
単色性染料 |
藍、紅花など。特殊な染め方をする。 |
多色性染料 |
一般的植物色素。 |
動物染料 |
コチニール、ラックダイ(虫)、貝紫など |
鉱物染料 |
ベンガラ、黄土、石黄など |
このうちベンガラや黄土などは、
一般的には染料というより顔料に分類されます。
動物染料は植物にない独特の色調を持ちますが、
種類が少なく、量的にも非常に希少品です。
天然染料のほとんどは植物に由来するため、
天然染料の染め≒草木染 として差し支えない、ということのようです。
【繊維の分類】
化学繊維 |
合成繊維 |
合成化学的に作られた原料を使用。 |
半合成繊維 |
天然繊維を化学変化させて繊維構造にしたもの。
アセテートなど
|
再生繊維 |
天然原料を溶解し、再び繊維状にしたもの。
レーヨン(←木材パルプ)、キュプラ(←綿)など
|
天然繊維 |
植物性繊維 |
綿、麻など |
動物性繊維 |
絹、毛など |
一般的に、天然染料で染まりやすいのは天然繊維で、
再生繊維はそれに準じます。
合成繊維は染まりにくい、ないしはほとんど染まりません。
(ナイロンは染まりやすい)
【染色に必要な道具】
・鍋: ステンレスもしくはホーロー。
アルミ・鉄・銅などは染めの色に影響を与えるので避ける。
・ボウル: 媒染用、水洗用など複数そろえる。
・ざる・ポリバケツ: 抽出液を濾すのに使う。径を合わせて。
・濾し布: テトロンなど、色素を吸わない合成繊維のもの。
・デジタル秤・計量カップ(大)・温度計・pH試験紙
・竹箸・ゴム手袋
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