fjrigjwwe9r2mt_entry:entry_text 「叱ることには痛みが伴う。でもそれが愛情の根幹です」 そう語るのは、あの和田アキ子さんです。先日、そんな和田さんの言葉が新聞に載っていました。 自分が売れっ子になりはじめた頃、山岡久乃さんにすざましい剣幕で叱られて、目が覚めた。その後も多くの人に叱られ、落ち込み、反省しながら、一つ一つの階段を上ってこれたのだという。 「人は嫌われたくない。いい人でいたい。でもそれでは子どもたちは、部下たちはどうやって、きちんと人としてのルールを学べばいいのか。身近にいる大人が、この人を一人前にしてやりたいと叱らなければ、社会で鼻つまみ者になります。人の頬を打てば自分の手も痛い。それでも相手を認め、育てたいと思えば、勇気を出さないとね」 そんな叱る覚悟がいると和田さんは語るのです。 和田さんの文を読む一日前、私は講演先で、ある先生と久しぶりに出会いました。 今から15年ほど前、彼が新任の時に一緒の学校で働いていたのですが、ある時、私はあまりに腹が立って、その先生に 「なにしてるんや!」 と大きな声で厳しく叱りつけたことがありました。大人げなかったなあと反省したのですが、私が転勤する時、彼は 「あの叱られたことはすごく心に残っています。変な表現ですが、叱られて本当にうれしかったです」 という手紙をくれたのです。 彼はその後西宮を離れ、朝来市に転勤し、今は中堅教師として学校を動かす大事な存在になっています。 彼のことで、私が一番覚えていることは、とにかく子どもとよく遊んでいたということです。中でも一番しんどい子とは、銭湯まで一緒に行き、裸のつきあいもしていました。すると、最初はガタガタしていたクラスも次第にまとまっていき、一番しんどかった子が 「先生のこと好き!」と言うまでになっていきました。 今の世の中、社会でも学校でも家族でもなんとなく当たり障りのないつきあいが多くなっていますが、「叱る」 も大事にしたいものです。
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