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2020年1月15日 |
大地のこと |
体育科教育2018年5月号に「遠足っていいな」というエッセイを書きました。その文をまず読んでいただけたら嬉しいです。 【体育科教育2018年5月号】「遠足っていいな」 子どもの頃、遠足は一番の楽しみでした。先生になってからも、遠足は一番の楽しみでした。だって授業より楽しいのですから(笑) ある時私は遠足に「ラジカセ」を持っていきました。須磨海浜水族園に行った時です。月見山駅から水族園へ向かう道中でラジカセのスイッチをONにするとピアノの伴奏が流れ出します。「海へ行こう〜♪海へ行こう〜♪」(川口晃・曲「海へ行こう」)子どもたちが歩きながら歌い出します。そんな笑顔の歌声に、行き交う街の人から「かわいい〜」「上手ね〜」「いってらっしゃ〜い」と声がかかりました。 ある時私は遠足に「絵本」を持っていきました。播磨中央公園に行った時です。昼食を食べ、自由に遊んだ後、木陰に子どもたちを集めます。そして絵本「花さき山(斎藤隆介・作)」の読み聞かせです。爽やかな風のもとでの読み聞かせに子どもたちは落ち着きます。そしていい顔で帰路につきました。 ある時私は遠足に「リコーダー」を持っていきました。奈良の若草山に行った時です。みんなで斜面を登っていきます。そして中腹から奈良公園を見下ろし、70人全員で「モルダウ♪(スメタナ・曲)」を吹きました。突然の「若草山リコーダーコンサート」にふもとの人たちから大きな拍手が沸き起こりました。 ある時私は遠足に「ゴム草履」を持っていきました。山東自然の家でオリエンテーリングです。あるポイントの問題は「ゴム草履に履き替えて、川を上れ!」えっなんで?と言いつつ子どもたちはゴム草履に履き替え、川を上っていきます。するとそこに冷えたスイカを見つけるのです。少し向こうには、まな板と包丁を持った先生が笑顔で待っています。「このスイカ、めっちゃおいしい!」そんなサプライズに子どももたちは大喜びでした。 ある時私は遠足に「ビニル袋」を持っていきました。甲山森林公園に行った時です。お弁当を食べた後、私がビニル袋を開いていると、子どもたちが「先生にあげる」と言って、大切なおやつを私にくれるのです。みるみるうちにビニル袋はおやつでいっぱいになりました。それを見ていた大地(小2)が言います。 「先生っていいなあ〜、おやつもらえるから」 「じゃあ、大地も先生になったら?」 「うん、ぼく先生になる!」 学校に戻り「さようなら」をした後に、大地がやってきました。そしてもう一度「ぼく先生になるで!」と言い残して帰っていきました(笑) さあ今年も爽やかな遠足の季節がやってきました。今年の遠足はどこに行くのだろう?何をするのだろう?子どもたちはワクワクして待っています。先生たちには、そんな子どもたちの期待にこたえる遠足をつくってほしいなと思っています。 ところで、あの大地は今どうしているかというと、ナント本当に先生になりました。今年で30歳になった大地は高校で体育教師をしています。 先日、一緒にお酒を飲みながら「ビニル袋」の話をすると、大地は 「俺そんなこと言いましたかねぇ?」 あいつ覚えていませんでした(笑)(2018.5体育科教育巻末エッセイより) このエッセイに書いた大地を私は小学校の2年生で担任しました。 運動の大好きな子で、足も速かったです。集合の時は私の足元に一番に 飛んでくる子でした。 そして大地は本当に先生になり、淡路島の高校に赴任します。。 ちょっとしんどい生徒がたくさんいる高校で頑張っていました。 そこまでは知っていました。 今夜は、東京パラリンピック内定の大矢君の講演会でした。 彼の母校、西宮K高校で1部(午前)2部(午後)3部(夜間)、 それぞれの部で生徒に話をしてくれました。 大矢は3部(夜間)卒業ですので、私は3部の講演会を聴きに行きました。 大矢は頑張って話していました。あいつは立派になりました本当に。 このことにももちろん感動したのですが、 もう一つ感動したことがあります。 3部(夜間)の担任の先生が会場に入ってきて、ビックリです。 なんとあの大地がいたのです。 大地は淡路島の高校から、西宮K高校に転勤していたのです。 3年ぶりの再会です。 大地は、しんどい子どもがいる学校に来てくれたのです。 大地は、そんな子どもを教えるために来てくれたのです。 さすが大地や。 さすが私の教え子です。 なんか嬉しくて嬉しくて・・・。 今夜は大矢38歳、そして大地は32歳。 そんな教え子との再会に感動しまくりです。 |
Posted by naka602 at 23:59
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