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2021年3月13日
絵本のつながり
今や全国区の絵本講師・久賀弥生先生は、普段は地元の小学校で理科の学習支援員として働いていますが、空いた時間には各教室を回って、絵本の読み聞かせもしてくださっています。子どもたちは久賀先生の読み聞かせに首ったけです。先日はコロナで静かな給食時間に放送で全校生に「昔話」の読み聞かせをしたそうです。「♪ぼうや〜よいこだねんねしな〜♪」の曲もかけて(懐かしい〜笑)

そんな久賀先生が「絵本講師の本棚から」(2011絵本で子育てセンター出版)
の中でこんなことを書かれています。
『しゅくだい(作・いもとようこ)』についてです。

「この絵本は、ある先生に教えてもらいました。私は講演会でいろいろな人の話を聞くのが好きで、その日も小学校で人権学習会に参加していました。講演の中で『しゅくだい』を読んでくださった先生のお話を聴きながら、私は涙が止まりませんでした。早く家に帰って息子を『抱っこ』してあげたい、ぎゅっと抱きしめて「ごめんね」って言いたい、そんな思いが胸にあふれていました」

この「ある先生」とは私のことで、その後久賀さんは絵本講師になるための
講座に通い続けて、念願の「絵本講師」になり、今の大活躍があります。
久賀さんからはいつも「仲島先生のおかげです」と言われるのですが、
とんでもないことです。
私は「しゅくだい」を曲里(まがり)先生に教えてもらって、それを真似して
読み聞かせをしていただけなのです。この「しゅくだい」は曲里先生のおかげ
なのです。

私は講演会でこれまで絵本をたくさん読んできましたが、それは40歳の時に
出会った曲里先生のおかげなのです。それまでの教師生活でも読み聞かせは
していましたが、曲里先生に出会って劇的に変わりました。それまで出会っ
てきた子どもたちに「ごめんなさい」と謝らないといけません。それくらい
変わりました。

「ええところ(作・くすのきしげのり)」も曲里先生に教えてもらいました。
それを講演会でもよく読みました。
ある時、愛媛県四国中央市の小中学校でも子どもたちに読みました。
それをじっと聴いていた河村英茂校長は感動し「いつか自分も」と・・・。
そして中学校の校長室の前に絵本コーナーを作り、とうとう生徒の前で
読み聞かせをするようになりました。小学校の校長ならよくあることですが、
中学校の校長です。それも専門は国語ではなく体育です(笑)
中学生に響くのか不安だったそうですが、意外にも大好評だったそうです。
この感覚が病みつきになり、絵本を持ち歩く中学校長になりました(笑)
3年生の進路指導の面接練習では、説教ではなくこんな絵本を読んだそうです。
「たいせつなこと(作・マーガレット・ワイズ・ブラウン)」
卒業前にはこの絵本です。
「小鳥の贈り物(作・ピルッコ・ヴァイニーオ)」
そして「中学校長の読み聞かせ」として地元の新聞にも掲載されました。
河村校長は昨年、定年退職しましたが、今も学校や地域で、読み聞かせを
続けているそうです。図書館の司書さんたちともすっかり仲よくなり、
もうベテランの立派な絵本講師です。

一昨年、茨城県下妻市のある中学校に行って、生徒向けと教員向けの講演を
してきました。(この中学校は、タイガースの主砲大山選手の母校です)
この中学校でも読み聞かせをしました。そして校長室で中村竜雄校長とも
いろいろ話をしました。

すると校長室前に「絵本コーナー」が設置され、なんと卒業式前に
「3年生に絵本の読み聞かせをしました」とメールがきたのです。
読み聞かせた絵本は
「たいせつなこと」と「小鳥の贈り物」です。

中村校長から
「仲島先生に教えていただいた絵本を読みました。先生のおかげです」
とお礼を言われましたが、
いえいえこれは私のおかげではありません。
これは河村校長のおかげです。
私はただ伝えただけです。
恐縮です。


でもなんだか感動するのです。
このつながりに。
すごいことですよね。
嬉しいことですよね。

ホンマええなあ〜〜。



Posted by naka602 at 10:16 | TrackBack (0)
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