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2016年3月26日
ぼうは、ええ子
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「きみはいい子」(中脇初枝・ポプラ文庫)は、読んでいてちょっと胸が苦しくなりました。頼りない先生が学級崩壊を起こしていく様子や虐待の様子はリアル過ぎて、途中で読むのを止めようかとも思いました。
でもそんな先生が、虐待を受けながらも「自分が悪い」「ぼくは悪い子」と
言ってしまうKさんを、ギュッと抱きしめ
「Kさんは、いい子だよ」
そしてもう一度
「Kさんは、いい子だよ。先生は、知っているよ」
・・・・・・・・
Kさんの長いまつげから大粒の涙がぽたりと落ちた。
Kさんは震えていた。
あまったるい、汗のにおいがした、ずっと同じ服を着ているKさん。
僕はそのにおいと一緒にKさんをぎゅうっと抱きしめた。
全然ダメな教師の僕、けんかもいじめも止められない、情けない僕。
でもこの子のためだけにでも、がんばりたい。
明日も、学校に来よう。この子もために、来よう。
・・・・・・・・


この小説「きみはいい子」を読み終えたあと、
以前読んだ小説「しゃぼん玉」(乃南アサ・新潮文庫)を思い出しました。
確かブログにも書いたはずだと過去のブログを読み返すと2008.3.26に書いて
いました。(なんと8年前の今日です)

「しゃぼん玉」をもう一度読み直しました。
この中では「ぼうは、ええ子」という言葉が出てきます。
その言葉に「きみはいい子」を読んで少しモヤモヤしていた気持ちが
涙とともに流れていきました。

「ぼうは、ええ子」


私は「しゃぼん玉」の方が好きかな。
やっぱりハッピーエンドがいいな。


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Posted by naka602 at 12:50 | TrackBack (0)


2016年3月25日
修了式
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3月25日修了式。今日で学校の1年が終わります。この日はみんなとお別れの寂しい日でもありますが、1年をやり遂げたという充実した素敵な日でもあります。

先生になった1年目の修了式(23歳)、
今津小3年3組の子どもたちと最後に六角堂の前で撮ったクラス写真は
私の一生の思い出になっています。(拙著「教師力を磨く」P13)

3年目の修了式(25歳)、段上西小3年1組の子どもたちとお別れした夕方、
アキヒロのお母さんが
「今日アキヒロが学校から走って帰ってきました。そして私に抱きついて
ウォンウォン泣くんです。どうしたの?どうしたの?って聞くと
『仲島先生とお別れだもん』と泣きながら言うんです」
学校では涙も見せずにしっかりしていたアキヒロが一目散に家に帰って
お母さんに抱きついて泣いてくれたのです。


19年目、1998年3月25日の修了式(41歳)のことです。
式が終わり教室に帰ってくると、子どもたちが「先生ありがとう!」と
手作りのくす玉を割ってくれました。この日のために、何日もかけて
こっそりと作ってくれていました。なんて嬉しいことなのでしょう。

そのあと、担任仲島の最後の言葉です。それは学級通信の最終号です。
いつもよりずいぶん長い学級通信最終号ですが、BGM付の私の朗読を
子どもたちは涙を浮かべながら聞いてくれます。


「よい41倶楽部 最終号(212号)」 須南小4年1組
ありがとう みんな。

とうとうこの日がやってきました。3月25日みんなとお別れの日です。
「寂しいなぁ」「悲しいなぁ」そんな気持ちでいっぱいです。でも一方では「あぁとってもいい一年だったなぁ」と幸せな気分にもさせてくれるのです。

去年の4月6日の夜、明日は始業式、4年1組の子たちとどんな出会いをしようかな、学級通信はどうしようかな、などと悩んでいました。そんな時に友人から電話がありました。その中にプリクラの話がほんのちょっとだけ出たのです。その時にパァーーッとひらめいたのです。今からプリクラを撮りに行こう、そして学級通信の名前は「よい41倶楽部」通称「よいクラ」これにしよう!と決め、娘(中3)についてきてもらい、初めてプリクラを撮りました(この時4/6午後10時30分) これが「よい41倶楽部」誕生の瞬間だったのです。今までの学級通信の名前は真面目な名前しかつけなかったのに「よい41倶楽部」なんてつけたら「ふざけるな!」って叱られないだろうか、プリクラを連絡帳に貼ったりしたら「今度の先生は変や!」と思われないだろうかと少し心配だったのですが・・・。

それから1年が経ちました。この「よい41倶楽部」も200号を超えました。いろいろあったなあ〜と、この1年間のことが思い出されます。

始めのうちは先生一人だけが走っていたジョギングも、知らないうちにどんどん増え、今ではみんなでいい顔しながら走れるようになりました。よい41ジョギングは、体力をつけるというよりも、みんなの心をひとつにし、心を鍛えていたような気がしています。「しんどいけど楽しい」こんな感想を言ってくれた子がいました。とってもうれしかったです。

「支え合う算数」支え合う学習はここから始まりました。みんなで支え合って学習すれば、楽しいし、力もつく、こんなことがわかりましたね。国語の時間も自分たちで学習を始めました。体育でもリレー、ハードル走とチームの仲間で協力しあい、自分たちでいろんなことを発見し、力をつけていきました。授業に先生が遅れたって、先生がお休みしたって「へっちゃらよ」と言わんばかりに自分たちで何でもするようになったあなたたち。本当にえらいなあと感心してみていました。

そして10月2日の【支え合う仲間】はずし事件が起こりました。この時、先生はね、正直に言うと「もしかしたらダメかもしれない」と少し思っていました。でも一方では「この子たちなら必ず跳ね返ってくる」と信じてもいました。もし跳ね返ってきたら「このクラスはもう大丈夫!」でもダメだったら「このクラスの成長は止まる」そんな大きな出来事だと私は思っていました。変な言い方になるかもしれないけど、これは大きな賭けでした。
そしてその大きな賭けをあなたたちは見事に乗り越えてくれました。みんなで団結して「支え合う仲間」になりました。それ以降のあなたたちの事件は「すばらしい!」の連続でした。「遠足の弁当の輪事件」「カレーライス事件」「パン箱事件」「つなひき事件」「鑑賞会踊り事件」「よい41合唱団事件」「もう10才だもん事件」「うんこがコロリ事件」「終業式マット事件」「よい41ジョギング事件」「よい41ボール事件」「あさのあつこさん事件」・・・・・・・などなど・・・たくさんありすぎて思い出せないくらいです。

そんな中「跳び箱マット事件」というのがありましたね。あの事件のことを思い出すと、今でも胸が熱くなります。あの時、クラス全員が体育館にやってきて、森原さんがフワリと跳び箱の上を回った瞬間、クラス全員の手がバンザイをし「ヤッタ!」の声、みんなのすばらしい笑顔、一人の喜びがみんなの喜びになった瞬間でした。あの時、私は涙がドッドッとあふれてきて、みんなの姿がボォーとしか見えなくなりました。そして恥ずかしくて、一人先に教室に帰りました。階段で涙を必死にこらえ、教室に入ったとたん、また涙がポロポロ出てしまいました。めちゃくちゃ感動した出来事でした。授業中にあんなに涙が出たのは初めてのことでした。

あなたたちは、この1年間でとっても大きくなりました。とっても成長しました。「舞は10才です」のおばあちゃんが言ってたように「10才の可能性」をしっかり見せてくれました。「この子らはすごい!」本当にそう思いました。

こんなアホな先生のもとによくついてきてくれました。すぐ怒る、笑う、アホなことばかりする、「今度な」と言ってなかなかしない、机の上が汚い、いい加減、字がちっちゃくてきたなくて読みにくい、「知らん、自分で考えろ!」と教えてくれない、・・・・そんなアカン所がいっぱいある先生なのに本当によくついてきてくれました。そんなあなたたちに感謝の気持ちでいっぱいです。本当にありがとう。

5年生になったら、この「よい41倶楽部」で学んだことをみんなに広げてください。4クラスに分かれて、どんどんその仲間を増やしてください。支え合う仲間の事件をどんどん起こしてください。
5年生の新しいクラスになってからも「4年1組がよかった」と後ろを振り返るのはいけません。だってあなたたちはもう5年生なんだから。
「4年1組がよかった」ではなく「4年1組もよかった」と言えるようになってほしいと思っています。それが私からあなたたちへの最後のお願いです。

「よい41倶楽部」のみなさん、そしておうちの方々。1年間本当に本当にありがとうございました。あなたたちに出会えたことは、今年最高の喜びであり、幸せでした。あなたたちは、私の自慢であり、私の誇りであり、私の宝物です。
またいつの日か会えるのを楽しみにしています。元気でね。
本当に本当にありがとうございました。 さようなら。
       1998.3.25  仲島 正教



その日の夕方、Yさんのお母さんが学校に飛んできました。
「先生、転勤するのと違うやろね。それはアカンで!」


1週間後、私は西宮浜小へ転勤になりました。



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Posted by naka602 at 12:19 | TrackBack (0)


2016年3月20日
卒業おめでとう!その3
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息子の卒業式の翌日19日の夜に、息子は孫(10ケ月)を連れて我が家に帰ってきたのですが、私はいませんでした(涙) その夜は「アブの会」という男5人のワル仲間の会合いえ飲み会があったのです。
(「アブの会」とは、2008年8月11日のブログ参照(笑))

息子に会って「卒業式はどうやった?」って聞きたかった私ですが、
それよりも「ワル仲間のアブの会」を優先してしまいました(笑)
本当は聞きたかった、でも聞くのもなんか変で聞きにくい気持ちもありました。
なので「アブの会」でよかったのです・・・・と負け惜しみ(笑)

そんな私の気持ちを察してくれたのか
今日、福田祐二先生からメールが届きました。
「朝、教室の机の上には1人ひとりへの手紙が置いてありました」
「雄介先生、卒業式の途中から涙が止まらなくなっていましたよ」
って・・・。

そしてなんと写真も添付してくれていました。
卒業式終了後の教室でのスナップです。
とってもいい顔をした6年担任の仲島雄介先生でした。

アカンアカン・・・涙が出る・・・・親バカの私です。

ありがとう福田先生・・・ありがとう福田先生。



福田先生のメールにはこんなことも書いてありました。

「16年前の仲島先生の現役最後の卒業式の2週間後、
 私は新任教師として夙川小学校に着任しました。
 その16年後に息子さんと一緒に仕事をし卒業式をむかえました。
 本当にご縁を感じます。ありがたいことです」


神様って、すごいことをなさるのですね。

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Posted by naka602 at 21:22 | TrackBack (0)


2016年3月18日
卒業おめでとう!その2
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今日は西宮市の小学校の卒業式です。現在の時刻8時50分、晴れています。でも天気は下り坂で午後からは雨の予報です。どうかお昼過ぎまで天気が持ってほしい!そう願うばかりです。

今からちょうど16年前の2000年3月18日、
私は西宮浜小学校の6年担任で卒業式をむかえていました。
その1週間後に市教委への異動辞令が出たので、私の現役最後の卒業式に
なった日でもありました。

あれから16年後の今日2016年3月18日、
西宮浜小学校の6年担任は、私の息子雄介です。
この偶然に何か不思議な縁を感じています。

そして息子と同じ6年の隣のクラスの担任は福田祐二先生です。
福田先生は、11年前の元気塾第1回目からの参加者で
元気塾を仲島学級と例えれば、私の最初の教え子といえる先生です。
その後の福田先生の活躍を見ていて「元気塾をしてよかった!」と
感じさせてくれる自慢の教え子いえ自慢の先生です。


昨年の4月、息子が初めての6年を担任すると聞いて
私は心配になりました。
「あいつ、ちゃんとやっていけるのだろうか?」って。

そんな時、なんと鳴尾小から福田先生が西宮浜小に転勤してきました。
おまけに6年の担任です。息子の隣りのクラスです。
この神様のイタズラ、いえ優しさにビックリポンです。
本当に不思議な縁です。


そんな不思議な縁のもとに
今日の卒業式をむかえました。

「卒業おめでとう!」


息子よ、1年間お疲れ様でした。
そして福田先生、本当にありがとうございました。



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Posted by naka602 at 08:50 | TrackBack (0)


2016年3月10日
卒業おめでとう!
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長く教師をやっているとこれは職業病だなと思うことがよくあります。その典型はクイズ番組での漢字の書き順ですが(笑)、この時期は卒業式や入学式のことが気になってしまいます。桜が早く開花すると入学式までもつかなと心配になったりします。

今朝、起きてみると昨日の雨はあがり、太陽が顔を出していました。
「あーよかったな、天気になって」
今日は西宮市や神戸市では中学校の卒業式です。
「卒業式は晴れてほしい」 いつもそう願っています。

素晴らしき門出の日です。
いい天気の下で、いい顔で巣立ってほしい、いい顔で見送りたい。
卒業式の最中には泣いていた子が、式が終わり、教室での最後の学活も終わり、
いよいよ学校を後にする時の、あの晴れやかな笑顔が、私は大好きです。
あの時の子どもの笑顔、保護者の笑顔、そして担任の笑顔を見るだけで、
こちらまで幸せな気持ちになります。

あのいいシーンが雨だとちょっと残念なのです。
だから晴れてほしいのです。
今日はちょっと寒いけど、晴れています。

15歳の子どもたちの巣立ちの日です。
「卒業おめでとう!」
心からお祝いします。



小学校の先生にも、ぜひ中学校の卒業式を見てほしいです。
自分の学級の授業があるのでなかなか参列は出来ないのですが、
あの小さかった子どもたちが15歳となって、巣立つ姿は格別です。
小学校の卒業式とはまた違う感動があります。


明日は尼崎市の中学校の卒業式です。
私の教え子のしのぶ先生(28歳)は初めての3年生の担任で
初めての卒業生を送り出します。
先日、一緒に飲みましたが、素敵な教師になっていました。
頑張れ、しのぶ先生!
泣いたらあかんぞ!でもいっぱい泣け!(どっちやねん)
しのぶちゃんの顔を想い浮かべると私が泣きそうになります。

「卒業おめでとうございます」


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Posted by naka602 at 08:12 | TrackBack (0)