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2007年5月17日
運動会で子どもを育てる
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 最近、運動会を秋ではなく春にやってしまう学校が出てきました。春に運動会をやってしまい、秋に余裕をもたそうという趣旨のようです。また秋の開催もだんだん前倒しになってきているようです。確かに運動会の時期はバタバタして子どもも落ち着きません。ゆっくり教室で勉強も出来ないこともあります。それに体育の授業時数も短縮され、運動会にそんなに時間をかけていられないという状況も理解できます。でも私は、運動会は 「子どもを育てる絶好の機会」 だと思っているのです。
 昨今、いじめ等の問題がよく話題になっていますが、道徳の時間だけで仲間づくりはけっして出来ません、優しい心は育ちません。道徳はそのきっかけでしかないのです。子どもたちは行動を通してこそ学んでいくのです。運動会ではきっとけんかやトラブルもあるでしょう。でもそれをみんなでなんとかして乗り越え、やり遂げていく姿に子どもの成長があるのです。子どもたちはこうやって人との関わりを学んでいくのです。
 今の学校現場は、本当に忙しい。いえ忙しすぎます。だから 「運動会を早く終わらせたい」 とか 「簡単なものでやりたい」 という気持ちはわかります。しかし、子どもたちが元気いっぱい走ったり踊ったり、また悩んだりけんかしたりしながら、みんなが団結し、最後には子どもたちが手を取り合い涙を流して喜ぶ姿をけっしてなくしてはいけない、と私は思うのです。
 
 先日、ある有名な教育出版社から原稿依頼がきました。この会社から依頼がくるのは教師として光栄なことです。でも私は断りました。詳しくは書けませんが要するに 「運動会を簡単にするために」 という内容だったので、私は受け入れることが出来ませんでした。この依頼を「断る」リスクは高いでしょう。「おまえは何様や」 と言われるかもしれません。でも私は私の考えで生きたいのです。子どもって、そう簡単には育たないのです。時間がかかるのです。特に人との関わりや温もり、優しさは、時間をかけてゆっくりと育てていくものだと思っているのです。
 運動会をただ「行事」としてこなすのではなく、運動会を「学習」として子どもを育てたい、私はそう思うのです。

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Posted by naka602 at 10:13 | TrackBack (0)
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