fjrigjwwe9r2mt_entry:entry_text 朝日新聞の土曜版(be)は、けっこう面白くていつも読んでいます。 今回の「フロントランナー」は、沖縄の詩人・脚本・演出家の平田大一さん(41歳) 沖縄の勝連城(世界遺産)跡下で、中高生が演じる演劇「キムタカ」が11年間の ロングランを続けているのですが、その脚本・演出をしているのが平田さんです。 自分に自信がない、自分の地域に誇りが持てない、そんな中高生が大きく変わって いったのです。最初はたった7人しか集まらなかった中学生が徐々に集まり始めます。 平田さんは言います。 「大人の真剣さを子どもは読み取ります。一生懸命は恥ずかしくない。カッコイイと 気づけば、子どもは自分をさらけ出します」 城跡の公演はまさかの大成功を収めます。4千人を超す観客を前に、子どもたちは キムタカの魂が乗り移ったかのような演技を見せ、興奮する観客から指笛が鳴り、 幕が下りると親子が抱き合って泣くのです。 「これが教育です。感動体験が人をつくる。これですよ!」 と町教育長も声をつまらせたのです。 平田さんの言葉が心に響きます。 「この旅の終わりは新しき道の始まり」 この公演は2年後、財政難から町からの補助が打ち切られるも、親が動き、商店や企業 も協力し、やがて舞台は地域の誇りとなっていくのです。本土から飛行機に乗って観に くる観客も少なくないのです。 「地域の物語を演ずることで、子どもたちは自分の足元に宝物を見つけました。ここには 何もない、自分たちは田舎者、と劣等感を抱いていた子が誇りを取り戻したのです。 せりふや振付を 『こうしたらいいね』 と自分たちで考え、工夫するようになります。 観客と一体になった感動体験がまた新たなエネルギーを呼び起したのです」 平田さんは自分の役目をこう言います。 「子どもたちを注意深く見て、声をかけ、褒めることです。いつも来るのに壁際で見ている 子どもがいる。でも無理強いはしない。声をかけ続け、手伝いなどを頼んだりしていると、 『やってみる?』 『ウン』 の瞬間が生まれる。子どもは居場所を探しに来ています。 そして出番が見つかると、自分から動きだすのです」 続けて平田さんは言いました。 「子どもの笑顔は、親を元気にします。地域を活気づけます。 人の心に火をつける。これほど楽しい仕事はありません」
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