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2011年11月19日
築地先生の授業
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私が授業づくりをしていく中で、大きく影響を受けた先生が3人います。
1人目は、新任で着任した西宮・段上西小学校の桑木健次郎先生の授業。
2人目は、26歳の時に出会った奈良女子大附属小の岩井邦夫先生の授業。
3人目は、31歳の時に出会った静岡市立安東小学校の築地久子先生の授業です。
 
今日の元気塾は、3人目の築地久子先生の授業を取り上げました。
築地先生は、凄い先生なのですが、なかなか表舞台に立たない(立ちたくない)先生で
教育雑誌などの執筆も少なく 「知る人ぞ知る」 的な先生でした。
(現在66歳、もう授業を見ることはできません。築地関係の本も絶版)
 
今までも何度か取り上げようと思ったのですが、築地先生の授業分析は難しく、
どう解説していいか自信がなくて、なかなか出来ませんでした。
今回の元気塾にあたっても、準備するにあたって相当プレッシャーがかかっていました。
私自身が静岡で撮ってきた築地先生の授業ビデオを何度も見直し、大学の先生が分析
した本を読み直し、なんとか元気塾で紹介することが出来ました。
 
初めて築地先生の授業をみると、みんなびっくりします。
「こんな授業、見たことがない」
今日元気塾に来た先生も同じ感想を書いてくれていました。
「なにがなんだか、わけがわからない」 そんな授業です。
みんな、今までの授業の常識を覆されます。
先生が黒板の前で授業をしていないのです。子どもたちが自分たちで授業を進めている
のです。先生が教室にいなくてもどんどん進んでいきます。メインで討論している子もい
れば、教室のはしで話し合っているグループもいます。同じ教室内でいくつも授業が行わ
れている複線型の授業です。子どもたちは席を離れ、ウロウロしながら、授業が進んでい
くのです。今回のビデオの授業でも築地先生の声が聞こえたのは、授業が始まって
20分以上過ぎてからでした。築地先生は「座席表」に記録しながら、時々子どもたちと
「ひそひそ話」をしているだけなのです。
45分間ずっと子どもたちの発言が途切れることはありませんでした。
 
こんな授業ですが、学力はしっかりついています。(学力テストも優秀です)
そしてなにより、子どもたちの有能感が1年間で驚くほどついていくのです。
子どもたちは3月にこんなことを言っています。
・自分は先生や友達から認められている。特に先生は私を信じていてくれる。
・勉強面では、自分は必ず出来るようにようになるし、出来るまで頑張る自信がある。
・自分たちのクラスは、自分たちのことは自分たちで出来るクラスであり、自分は自分で
 やろうと思うことは自分でできる。
・先生は私たちを好きだと思ってくれている。でもまず自分で解決しなければ先生は助け
 てくれない。
 
築地先生がめざしていること、それははこんな事のようです。
・どの子どもも 「自分はけっこうやれるじゃないか」 と思えるように育てたい。
・「子どもの自立」 が大きな柱になっている。
・「個」を生かす授業づくりが徹底されている。
・授業の中で、学級づくりもしていく
・授業に、いつも人間としての生き方のメッセージ性が含まれている(人間教育)
 
 
私が講演会や研修会でよく言う言葉があります。(カードにしています)
 
「誰の顔を思い浮かべながら、授業をつくったのか」
「あの子の目を輝かせたい」
「出来るか出来ないかではなく、するかしないか」
「俺もなかなかやれる」
「自分がすき」
 
これらは、築地先生の授業から学んだことです。
 
 
 
築地先生は子どもたちにこんな言葉をよくかけています。
 
「今のままでいいの?」
 
子どもたちは、そんな築地先生の言葉に背中を押され、
「小さなジャンプ」を繰り返しながら、日々成長しているのだと思います。
 
 
 

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Posted by naka602 at 18:03 | TrackBack (0)
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