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2012年4月16日
作家の赤川次郎さんと志水宏吉先生
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★(朝日新聞 4月14日朝刊 「声」の欄  ※一般の投書欄です)
   橋下氏、価値観押しつけるな
               作家 赤川次郎 (東京都港区 64)
 
 大阪の橋下徹市長は大阪府立和泉高校の管理職をなぜ処分しないのだろう?
教師の口元チェックをしながら、姿勢正しく心をこめて「君が代」を歌えたはずがない
のだから。それにしても生徒のためのものであるはずの卒業式で、管理職が教師の
口元を監視する。何と醜悪な光景だろう! 橋下氏は独裁も必要と言っているそう
だが、なるほど「密告の奨励」は独裁政治につきものである。
 府知事時代、橋下氏は初めて文楽を見て、こんなもの二度と見ないと言い放ち、
補助金を削減した。曰く「落語は補助金なしでやっている」。舞台に座布団1枚あれば
いい落語と、装置を組み、大勢の熟練の技を必要とする文楽を一緒くたにする非常識。
客の数だけを比べるのはベートーヴェンとAKBを同列にするのと同じだ。文楽は大阪
が世界に誇る日本の文化である。理解力不足を棚に上げ、自分の価値観を押し付け
るのは、「力強い指導力」などとは全く別物である。
 過去に学ぶ謙虚さを持ち合わせない人間に未来を託すのは、地図もガイドもなく
初めての山に登るのと同じ。一つ違うのは、遭難するとき、他のすべての人々を
道連れにするということである。 
 
 
 
★先日、こんな本が出ました(2012.4.6) 
「検証 大阪の教育改革  〜いま、何が起こっているのか〜」  志水宏吉
                    (岩波ブックレット 525円)
つい先日3月24日に大阪府議会で成立したあの教育基本条例のことも書いてある
ホカホカの本で、橋下氏の教育姿勢について、批判的検証がされています。

志水宏吉先生は、「学力」や「人権・同和教育」等たくさんの著書がある方ですが
内容はとても鋭く、またわかりやすいです。
数年前、私が研究に入っていたある小学校では、志水先生の
「公立学校の挑戦〜力のある学校とはなにか〜」(岩波ブックレット504円)を
全員に買ってもらい勉強したことがあります。
「公立学校の底力」(ちくま新書819円)では、尼崎の中学校の実践が載っていますし、
「格差をこえる学校づくり〜関西の挑戦〜」(大阪大学出版会2100円)では、私がよく
言っている「5分間家庭訪問」についての引用もあります。
 
 
 

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Posted by naka602 at 00:48 | TrackBack (0)
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