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2014年4月6日
「校長先生」が少なくなりました
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私が西宮市教委学校人権教育課にいた時、私のパソコンの壁紙には、こんな言葉が流れていました。

  人権教育とは頭で学ぶものではないらしい
     本物の生き方をしている人との
        出会いがたくさんある方がいいらしい

これは、野口克海先生の言葉です。
野口先生は、大阪の元中学校教師、大阪府教育員会、堺市教育長等を歴任され
この3月末までは大阪教育大学監事をされていました。
野口先生のイメージは「大阪のオモロイおっさん(笑)」というと失礼ですが、
とっても熱くて馬力があり、そして人情味のある先生で、私の憧れの先生です。


そんな野口克海先生のこんなエッセイを見つけました。

 ある離島の研究会に招かれて講演に行った。海が荒れると島に渡れないこともあって前日に到着した。夕食は世話役の先生たちと一緒だった。私の前の席に、人柄の優しそうな、この先生は子どもに好かれているだろうな、と思う40代の男の先生が座った。
「この頃の学校はどうですか?」
と私は何となく質問した。するとその先生は
「校長先生が少なくなりました」
と答えた。
「エーッ、どういうこと?」
「校長先生というと、子どもが大好きな教育者で、子どもの家庭環境も、地域の人たちのこともよく知っていて、授業のことも一緒に考えてくれる人が多かったですよね」
「今は?」
「管理職が増えたんですよ。校長先生が少なくなって・・・」
「もうちょっと具体的に教えて?」
「例えば、うちの小学校は全校児童が100人ほどの学校です。今の校長さんは3年目になります。未だに子どもの顔も名前もおぼえていません。すぐに対応しなければという問題が起きて、校長先生に相談すると、校長室に戻って文科省や県の通知文を見て「ミスのないように」と言うんです。まず保険をかけて、自分の身を安全な場所に置いてから仕事をする人が増えました」
 地方にはまだのんびりした良い教育が残っていると思っていた私には、正直これはショックだった。

 もう一つ、「学力が低い」と県教委からはっぱをかけられている学校の校長さんと食事を共にしている時、
「昔は給料から毎月積み立てをして、全教職員で一泊の親睦旅行で温泉に行ったりしていましたよねぇ」
と私が言ったら、
「この頃、学校で減ってきたことは・・・・宴会(親睦会)と教育談義。
 この頃、学校で増えてきたことは・・・・ぐちと他力。」
と校長さんが返してきた。
そして続けて
「この頃、学校で強くなっていることは・・・説明責任と成果主義。
 この頃、学校で弱くなっていることは・・・つながりと情熱。」
私は苦笑いするしかなかった。

2人の先生の言葉は、今の教育改革がもたらした一つの断面をついているのではないか。競争と管理強化ではダメなのです。
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今月の給料から積み立てを始めて、
全員でパァーと親睦旅行にでも行きますか?(大阪教育大学監事 野口克海)



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Posted by naka602 at 18:04 | TrackBack (0)
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