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2014年5月31日
指が覚えていた
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私の母(89歳)の容態もよくなり、今は老健施設に入っています。先日、私が面会に行くと施設の人から
「今日お母さまがピアノを弾かれたのですよ」と聞かされました。
施設の中のレクレーションの時に、たまたま弾いたようです。
母は50年ぶりに鍵盤にさわったので、弾けるか心配だったようですが、
鍵盤にさわると「指が覚えていたわ」と言うのです。
そしてその伴奏に合わせて他の方も歌ってくれたようです。
「指の力がなくてダメだったけど、ピアノを弾けて楽しかった」


昔、我が家の土曜日の午後は「ピアノ教室」になり、母が近所の子どもに教えて
いました。そのせいで私はいつも土曜の午後は外で遊んでいました(笑)
でも外で遊べない日は、隣の部屋で静かに過ごしていたのですが、私の耳には
「バイエル」がいつも入ってきます。なので今でも私の耳には「バイエル」の
曲が入っていますし、ミスタッチはすぐにわかります。
私はピアノは弾けないのですが批評は出来ます(笑)


久しぶりに生き生きした母の顔を見て、これはリハビリにもなると思い、
すぐにキーボードを購入しに行きました。最初は手軽なミニサイズのキーボード
を見ていたのですが、いやいやこれではきっと母は満足しないと思って標準鍵の
キーボードを購入しました。

翌日、それを持っていくと母はすごく喜んでくれました。
「88鍵ちゃうけど、この部屋でもできる49鍵のキーボードやねん」
と言うと
「オルガンサイズやね」と母。 (すぐわかるんや(笑))
「昔、教室ではオルガンをいつも弾いていたから、懐かしいわ」と
オルガンサイズでも満足してくれました。よかったよかった。

そのあとは、ヘッドホーンをつけて、私がいるのに話もせず、ひたすら鍵盤に
向かって練習を始めました。最初は震えていた手がだんだんと動いていきます。
楽譜はキーボードの付録品なので小さくて見えにくいのですが、それを一生懸命
に見て、指を動かしていました。楽譜のページを適当にめくりながら適当に弾い
ていくのですが、ふと私がみると「♪未来へ」を弾いているではありませんか。
弾き終わると「この曲は知らないから、ようわからんわ」と独り言。
でも私は感動です、母があの「♪未来へ」を弾いていたのですから。

母子が一緒の部屋にいるのに30分ほど会話なしでした(笑)



帰ってから、今度は「バイエル」の楽譜を購入しました。
さあ「バイエル」に挑戦してもらいましょう。



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Posted by naka602 at 09:42 | TrackBack (0)
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