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2014年6月3日
図書室が開放されていること
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夕方の毎日放送の特集「本離れ、なぜ図書室は開かない?」を見て、愕然としました。大阪市の小学校(299校)では、休み時間にまったく図書室を開けない学校が12校もあり、最も多かったのが週に1,2回開ける学校で、それは4割にものぼるという報告でした。つまり、図書室はほとんど閉まっているということです。

その理由は、、
先生方が忙しくて、そこまで手が回らないということです。
またせっかく司書教諭がいても担任と兼務しているために、図書室にはほとんど
行けない状況なのです。
(※図書室に先生がいない時に事故が起こったら大変なので、先生不在では鍵が
 かかっているのです。図書室開放の条件は先生(大人)がいるということです)

そんな大阪市に対して、箕面市では先生とは別に図書館司書を配置しているので
図書室は常時開館していて子どもたちは自由に本を読んだり調べ物ができるのです。
箕面の子どもたち曰く「本は宝物やで」
箕面市(20校)では、司書の配置に年間9000万の予算がかかるそうですが、
それを大阪市(429校)でやろうとすると年間19億円かかるということで
大阪市では財政的に難しいというのです

大阪市では、そんな状況でこれまでずっとやってきていますから、
先生たちも子どもたちも、そして校長も、その状況に「慣れて」きています。
だから問題意識はあっても、そんなに切実感はないのです。「しかたがない」
ということでしょう。それは大阪市教委も同じです。市教委指導主事のインタ
ビューの言葉に強い意気込みは感じませんでした。
「図書室は開かないもの」という文化にどっぷりつかっているのです。

でも、そんな文化になっているのは、ある意味納得ができます。
だって図書室が開いている時の素晴らしさを体感していないのですから。

それは私の体験からもわかるのです。
私は西宮市の小学校で、はじめの17年間は図書室に司書のいない学校に勤めて
いました。すると大阪市の先生と同じ感覚です(図書館教育に無頓着)
でもその後の4年間は、司書教諭・図書館司書が、常時図書室にいて一日中いつ
でも図書室は開いている学校に勤めました。
そこで私はカルチャーショックを受けるのです。
この学校の子どもたちは、本が大好きで、図書室は多くの子どもたちでいつも
活気がありました。図書の時間が一番好きと言う子もたくさんいました。
毎日の貸し出し数も多いし、夏休みもしょっちゅう子どもたちが図書室にやって
くるのです。みんなが嫌がる(笑)読書感想文もたくさん書いてきます。
そしてどの学年からも「読み聞かせ」の声が聞こえてきます。
先生たちも図書が大好きになってくるし、担任(私)と司書教諭の2人(T.T.)
で図書の授業まで行われました。
また「ブックママ」の愛称でPTAも協力して下さり、絵本の読み聞かせだけでは
なく、図書館運営にも携わってもらっていました。先生の忙しさを十分カバーして
くださっていました。
図書室が開いていると、こんなにも違うのです。
そんな高須南小学校には、全国から多くの参観者が訪れていました。

私はこの時に
「本」がもつ素晴らしい力に感動するのです。
「本」で子どもたちが成長するのを目の当たりにするのです。
「本」で学級がステキな仲間になっていくのです。
ちょっとゴンタな子が「本」で変わっていくのです。
あの「あさのあつこ」さんと繋がるのです。

この感動体験が、私に「図書館教育の重要性」を学ばせたのです。


大阪市は、箕面市のように図書館司書を配置すると19億円かかるから躊躇すると
いうのであれば、各学校に現在もいる司書教諭の担任兼務をやめて、司書教諭の
仕事だけの専科教員にすればいいと私は思うのですが、ダメなのでしょうか。
だって、今、学校には、担任以外にも少人数指導、新任指導等の教師がたくさ
ん配置されているのですから、この中に「司書教諭」も位置づけたらいいと
思うのです。司書教諭を専科にしたら「図書室は常時開けられる」のです。
(兵庫県も西宮市もまだそうなっていません)


いやーホンマに図書館教育はすごく大事ですし、ええもんです。
ぜひそんな素晴らしい体験を多くの先生方にしてもらい、そんな学校を
広げて行ってほしいと思います。

大阪市の先生方、橋下市長さん、
それに毎日放送のスタッフの方、
ぜひ箕面や西宮の学校に来てみてください。
きっと感動しますから、きっと意識が変わりますから・・・。


放送の最後に、毎日放送の西アナウンサーがこんなことを言われました。
「図書館の鍵が閉まっているというのは、『学びのドア』が閉じていると
 いうことだと思います」



※こんな私にさせたのは、
当時、高須南小の司書教諭だった曲里(まがり)由喜子先生です。
曲里先生と出会って、私は大きく大きく変わりました。
そんな曲里先生、今年の夏季セミナー(8/9)にも来ていただきます。




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Posted by naka602 at 22:32 | TrackBack (0)
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