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2015年2月21日
いまさら何を・・・学力向上のこと
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朝日新聞の夕刊に「葦(あし)〜夕べに考える〜」という小さなコラムがあります。朝日新聞の記者や編集委員、論説委員が毎回交代で書いているコラムです。普段の正直な気持ちをあらわしたなかなかおもしろいコラムです。

2月20日は、こんなコラムでした。

   「学力向上と多様性」    西見誠一(論説委員)
 
 教育情報誌「内外教育」(時事通信社)で、興味深い記事をみつけた。公立の全小中学校に習熟度別授業を導入している大阪市教委の幹部が、「習熟度の異なる子がグループにいる方が、より学習の理解が進む」 と断言しているのだ。
 どういうこと? その人、岡田和子・学力向上支援担当部長に会いにいった。
「わたしも当初は、一律に能力がそろっている方が教えやすいと思っていたんですよ。ところがですね・・・・」
「ゆっくり」「どんどん」などのコース名は様々だが、大阪市の場合、どちらの授業を受けるか子ども自身が決める。能力的には上なのにあえて「ゆっくり」を選ぶ子もいるし、その逆もある。すると「分からない子」を周囲の子が引っ張り上げようとしたり、「分かる子」が教師の言葉をかみ砕いて周囲に伝えたりと、様々な「化学変化」が起きるという。
 改めて公教育の役割を考えた。能力も考え方も家庭環境も違う子が集い、互いに刺激を与えあう。その神髄は多様性だろう。不寛容で排他的な風潮が広がる昨今の状況をみるにつけ、その重要性はますます大きくなっているように思う。



このコラムを読んで、私は「いまさら何を言っているんだ」と思ったのです。
こんなことは、私たち教師はずっと前からわかっていました。
でも一般には知られていないのでしょうね。
天下の朝日新聞の論説委員も知らなかったし、どこかの知事や市長も知らないし
この大阪市の学力向上支援担当部長も知らなかったのでしょうかね。
(多分、部長は知ってたけどそんな言い方をしたのだと思いますが)

一般的には学力向上には「習熟度別で少人数の指導がいい」と思われている
ようですが、そうではありません。
もちろん習熟度別少人数指導は、教師が一人ひとりにきめ細かい指導や指示が
出来て、ある程度の効果は必ず出てきます。
でも最後の伸びとなったときには、仲間の力が大きく影響します。
一緒に頑張りながら、一緒に悩み、喜び、感動を共にした時、子どもは
学力的にも人間的にも大きく伸びていきます。
それが仲間であり、学級であり、学校なのです。

学力の高い子が低い子を教えると、低い子はいいけど、高い子は犠牲になって
いる。高い子も自分のレベルにあった学習をさせてもらわないとおかしい、
そんなふうに思う大人は多いようですが、実は高い子が低い子に教えることに
よって自分自身の理解度もより深まり、高い子も学力が伸びているのです。

大阪市の先生たちもそれをよくわかっているから
たとえ習熟度別授業でも、教師の教え込み指導だけではなく、子ども同士で
考える「学び合い」の学習場面を作っているのだと思います。
大阪市の先生方もすごく頑張っているのです。


いまさら何を・・・って批判的に書きましたが、本当は
このコラムの記事を読んで私は嬉しかったのです。
「学力向上ってこんなこと」「子どもってすごい」「公教育ってこういうこと」
って書いて下さったのですから・・・。
コラムを書いた西見さんにお願いしたいのは、これをコラムにとどめずに
もっと大きな記事にして、もっと知らせてほしいということです。
学校の先生たちって、ただ教えているだけではなく、子どもをつなぎながら
学力向上と同時に人間性もしっかり育てているのですから。





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Posted by naka602 at 21:15 | TrackBack (0)
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