« 前のエントリー | Main | 次のエントリー » | TrackBack |


2016年4月23日
えっ?運動会のシーズン?
fjrigjwwe9r2mt_entry:entry_text
私が若いころ、体育の教育雑誌は主に「体育科教育」と「学校体育」、他にも数誌ありましたが、学校現場としてはこの2誌が代表的でした。その後出てきたのが法則化運動にのって「楽しい体育の授業」という雑誌でした。「学校体育」はその後、廃刊になり、今は「体育科教育」と「楽しい体育の授業」の2誌が代表的です。

私は自分の連載もあるので「体育科教育」を愛読していますが、
「楽しい体育の授業」も立ち読みしています。先日も今月号を立ち読みしていて
私は唖然としました。
巻頭を書いている某大学の某准教授の最初の言葉です。
「今年も恒例の運動会のシーズンになりました。・・・」

えっ?5月が恒例の運動会のシーズンだって?
何言うとんねん!と私はあきれました。

とうとうこんな時代がやってきたのです。
教師の都合で本来の秋の運動会を春に移行し、それが常態化してきたのです。
特に関東ではこれが顕著のようです。
巻頭を書いていた准教授もまだまだ若いようですし、秋の運動会の教育的価値
も知らずに、准教授になったのでしょうね。
教育書の代表格の明治図書もとうとう「春の運動会」を認めたのです。

「楽しい体育の授業」はハウツー雑誌です。すぐに役立つ体育の指導技術も
たくさん載っていて、若い先生にはわかりやすいと思います。
運動会の特集では、時間をかけずに楽しく出来る種目も紹介されています。
なので難い理論も載っている「体育科教育」とはずいぶん違います。
人気も売れ数も「楽しい体育の授業」です。

実は、10数年前、私も原稿依頼を受けたことがあります。
「簡単に出来て感動が得られる運動会種目」というテーマでしたが、
簡単にできる種目の感動はニセモノ。感動は簡単な取り組みでは得られない。
そう返答して断ったことがあります。


「体育科教育」の今月号(5月号)は、
「組体操・組立体操は変われるか、どう変わるべきか」という特集で
組体操問題を全国に広げ、文科省も動かした内田良氏の論稿をはじめ、
批判的なものも、肯定的なものも合わせ、十数本のさまざまな考えが
載っています。
私は今月の「体育科教育」はたくさんの学校の先生や教育委員会の人に
ぜひ読んで、勉強し、論議してほしい、と切に願っています。
ハウツーを否定はしませんが、やはりしっかりした理論や考えが大事です。
「楽しい体育の授業」の愛読者にも「体育科教育」を読んでほしいです。

また組体操特集の他にも
「教師が育つ体育の授業研究」という連載で東京学芸大学の鈴木聡准教授の
「授業研究における教師の信念」はぜひ若い先生に読んでほしいと思います。
鈴木聡先生が言います。
「熱い思いをもつ教師たちと出会い『魂の授業研究』を展開していきたい」


なぜ運動会は秋に開催されてきていたのか、
その教育的意義や価値をもう一度考え直してほしいし、
信念のある授業研究、教育活動の学校現場であってほしいと
願わずにはおれません。


fjrigjwwe9r2mt_entry:entry_text_more
Posted by naka602 at 22:16 | TrackBack (0)
TrackBack

この記事へトラックバックするには、このURLをお使いください:
https://www.bbweb-arena.com/trackback.asp?entry_id=117051