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バードウォッチングをしよう!

  その1 きっかけ(私の場合)
  その2 道具
  その3 場所
  その4 季節



その5 時間
その6 マナー



バードウォッチングをしよう!(その4)

季 節

基本的にバードウォッチングは1年を通じて楽しむことができます。
春には春の鳥、夏には夏の鳥、秋には秋の鳥、冬には冬の鳥といった具合に季節によって見られる種類が違うので、1年を通して観察することで季節の移り変わりも体感できます。

日本で見られる時機によって、野鳥を以下のように分類するのが通例です。また、当ホームページのBirds Listの解説には個別の野鳥についてこの分類が記載されていますので、ご参考ください。

1.夏鳥
夏鳥は夏に日本に渡ってくる鳥のことで、通例ですと4月から5月にかけて日本にやってきて、9月から10月にかけて南方へ旅立っていきます。

身近な野鳥で夏鳥の代表的選手はツバメです。夏鳥の場合、日本で繁殖する例が多いのが特徴です。昔からツバメが家の軒下に巣を作ると縁起がよいと言われます。これは節分の豆まきのように寒さ(邪気)を追い払い、作物の育つ暖気(富)を呼び入れることを意味するからではないでしょうか?また、ツバメは農作物の害虫を駆除してくれる鳥でもあり、日本人にとって作物を育てる暖かい季節の象徴なのかもしれません。


(ツバメ)

(スズガモ)


(ジョウビタキ メス)

2.冬鳥
冬鳥は冬に日本に渡ってくる鳥のことです。通例ですと10月から11月にかけて日本にやってきて、3月から4月に北方へ渡っていきます。

冬鳥は主としてカモ類が多いでしょうか。冬には干潟が様々な種類のカモで賑わいます。スズガモは船橋の三番瀬に毎年10万羽近く集まってきます。

また、身近な小鳥ではジョウビタキが代表選手です。10月頃、家のアンテナなどに止まってヒッヒッヒッヒカカカと縄張りを主張する姿が見られます。冬鳥は日本にいる期間にお嫁さん探しをするのが通例で、オスの求愛行動を観察することができます。この期間でカップルが誕生し、えさの豊富な夏に雛を育てるのです。

3.旅鳥
この分類では春鳥または秋鳥というものはありません。その代わりに旅鳥という分類があります。旅鳥は春から初夏にかけて南方からやってきて夏にはさらに北方などに渡っていき、秋頃再び北方からやってきて冬にはさらに南方へと旅立っていきます。つまり、彼らにとって日本は渡りの中継地というわけです。日本では、長旅の途中体力を蓄えるためえさを取っている姿を観察することができます。

旅鳥の代表選手と言えばシギ・チドリです。4月から5月と9月から10月の2回やってきて、干潟で一生懸命えさを取っている姿はとてもかわいいです。また、この2つの時期は渡り途中ということもあり、台風などの影響で迷って日本へやって来る場合があります。こういった鳥を迷鳥といいます。ですから、迷鳥は普段日本では見ることができない珍しい鳥であることが多いのです。この時期に干潟などに行くと、珍しい野鳥に出会えるかもしれません。


(キリアイ)

(モズ)

4.漂鳥
漂鳥とは日本国内を季節によって移動する鳥のことです。通例このような鳥はえさの多い春から夏にかけて山の中にいて子育てを行い、秋から冬にかけて比較的暖かな低地へ降りて冬を越します。

身近な野鳥で漂鳥の代表選手はモズです。モズは秋になると低地へやってきて、キキキキキという声で縄張りを主張します。童謡の「小さい秋見つけた」で「呼んでる口笛、モズの声」という歌詞があるのは皆さんご存知のことと思います。私は秋にモズの鳴き声を聞くと、ついこの歌を思い起こしてしまいます。今は季節感がなくなってきていますので、この歌のようにモズの鳴き声を聞いて秋を連想する人は少ないのではないでしょうか?

5.留鳥
最後に取り上げるのが留鳥です。留鳥は通年見られる鳥のことです。ですから、今まで取り上げた中でも一番身近な野鳥たちと言えます。

留鳥の代表選手はなんと言ってもスズメです。スズメは昔から人がいるところでなければ生活できない野鳥で、最も目に触れる機会の多い野鳥でしょう。一年中日本にいるわけですから子育ても日本で行います。スズメのように子育てを人間の住む近くで行う種類もいます。


(スズメ)

話は横道にそれますが、これで今問題になっているのがカラスです。カラスは通常の野鳥のように6月から7月にかけて子育てを行いますが、この時期巣が近くにあるのを知らずに近づいた人に対して攻撃をしてくることがあるのです。また、スズメもせっかくできたお米を食べてしまうので害鳥だという場合もあります。人に近い存在だからこそ軋轢が生じている気がします。

しかし、「舌切りスズメ」という日本の昔話はこのことに対する示唆を与えてくれます。自然界に対する人間の態度がこのお話しに登場するおばあさんのようにスズメの舌をチョン切る、言い換えると自然界を制圧する態度で臨むと自然界から厳しい仕打ちが返ってきて、逆に、おじいさんのように自然界と調和する態度で臨めば大きな宝物が手に入るということです。

しかし、人間と自然との共生という問題は、現実的にはとても難しい問題で、今後の私たち人間の課題であるという気がします。


閑話休題、今まで見てきたように基本的にはいつの季節でもバードウォッチングを楽しむことは可能です。

ですが、干潟の野鳥について言えば6月から7月にかけては旅鳥が渡ってしまい閑散とした状況です。さらに、森の中に行くと葉が鳥たちの姿を覆ってしまい、探すのが困難な状況なので、強いて言えばこの時期が一番バードウォッチングにはふさわしくないかもしれません。


         

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