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2006年10月31日
あの子この子を意識した授業づくり
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 10月31日、兵庫県北部の養父市立関宮小学校の研究発表会に行ってきました。関宮小には昨年の夏以降4度目になるのですが、そこで私は 「個を意識してみるからこそ全体がみえてくるのであって、全体をみているというのは実は誰もみていないことです」 とえらそうに言わせてもらっていました。
 
 関宮小は伝統ある学校ですが、3年前に4校が統合され「ニュー関宮小」として新たなスタートを切りました。それぞれ4校の持つ校風、土地柄、規模の違い、また半数がバス通学というなかなか大変な状況で学校づくりが始まりました。この3年間の先生方の苦労は計り知れないものだったと思います。でも今回の研究発表会をみて、その成果は出てきているのがはっきりとわかりました。授業では個に焦点をあてた「あの子この子を意識した授業づくり」を実践し、子ども一人ひとりをとても大事にしているのがよくわかりました。また縦割り活動を通して、4校の子どもたちの心が一つになってきている姿も見させてもらいました。先生方の頑張りにホント脱帽です。すばらしい実践を見させていただきありがとうございました。
 
 研究会のあと、ある校長先生が私のところへ来られ 「娘がいつもお世話になっています。西宮の○○小学校の○○は私の娘です」   突然の言葉にびっくりしてしまいましたが、元気塾で頑張っているT先生の事だとすぐにわかりました。そういえばT先生は但馬出身と言ってたなって思い出しながら 「お父さん、娘さんはすごくいい先生ですよ。とっても頑張っていますよ」 って応えました。そうなんです思わず、校長先生なのに「お父さん」って言ってしまいました。でもお父さんの顔だったんですよハハハ。
 10月の元気塾では「指導案の書き方」を勉強したのですが、その時の例として紹介したのがT先生の指導案でした。見事な「あの子この子を意識した指導案」でした。
 「お父さん、心配いりませんよ、娘さん本当によくがんばっていますよ。」

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2006年10月27日
つながりと感動
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 愛知県高浜市立高取小学校の文科省指定人権教育研究発表会に行ってきました。高取小との出会いは、先の南小松島幼稚園と同じく2月の西宮・平木小の発表会です。今年度に入ってから高取小には今回で4度目の訪問です。
 午前中は公開授業です。全クラスを回りましたが、先生方とはもう顔なじみです。普段の時なら「どんな授業かな?」と指導主事的に見るのですが、今回は 「がんばれ!」 という気分になっていました。4度目ともなるとやはり情が入ってしまうのですね。 先生方はいい顔でいい授業をしていましたね。なんかうれしかったです。 そのあとの岩間先生による研究発表は、簡潔でわかりやすくまとめられたすばらしい発表でした。子どもの姿が浮かんできました。私はこういうのが理想的な発表だと思いますね。
 
 夜は打ち上げ会にも誘っていただきました。飲み会も今日で3回目。もうすっかり雰囲気にもなじんでいる私でした。高取小の先生方はホント優しくて温かいです。 飲み会が終わったあとは、みんなで刈谷駅まで私を送ってくださいました。改札口で大きく手を振って 「ありがとう!さようなら」 という声に、センチメンタルな気持ちになってしまいました。 こちらこそ 「ありがとうございました」 です。 またいつの日か会えるといいなあ。
 ※高取小のHPのブログです。
  http://torisho.blog12.fc2.com/blog-category-8.html
 
 ※講演会場で用意した50冊の本は完売でした。「もうないのですか?」の声に申し訳ない気持ちでしたが、幸せな気持ちでもありました。ホントありがたいことです。

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2006年10月25日
徳島県・南小松島幼稚園
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 今日は、徳島県小松島市の南小松島幼稚園人権教育研究発表会(兼小松島市人権教育研究大会)に行ってきました。南小松島幼稚園には、これまでにもおじゃまして、PTA講演と職員研修(2回)をさせてもらいましたが、個々をひじょうに大事にした保育がされていました。今日は子どもたちの秋祭りというイベント的な保育公開なので、参観者には少し個々は見づらかったと思いますが、この園のしっかりとした取り組みは、研究紀要にはしっかり書いてありましたし、あとの研究発表でも話が出ていました。とてもいい研究発表会でした。 (阿波踊り、私も子どもたちと一緒に踊ってしまいました)
 午後からのアトラクションとして、園の先生とPTAの方の合同寸劇が行われました。これがなんとなんとすばらしい寸劇で感動してしまいました。涙が出そうな場面もあり、会場も一つになって観ていました。あとで園長先生に 「これは出張していろいろな所で上演すればいいですね。立派な劇団ですよ」 と思わず話してしまいました。うーんホンマうまかった!よくある当たり前の人権劇より数段上だって感じました。
 
 南小松島幼稚園との出会いは、今年2月の西宮・平木小での文科省人権発表会です。この時に私が少ししゃべったのですが、それがきっかけでその後斎藤紀子園長から何度もラブコールを頂きました。そして6月、8月と2度小松島を訪れ、3度目の今日を迎えました。だから今日研究会が無事終わり、これで私ももう行くことはないと思うとなんだか寂しい気持ちになっています。職員の皆さんとも仲よくなっていたので、よけいにそんな気持ちになってしまいます。
(この秋には、他にも愛知県の高取小、朝日小、兵庫の関宮小の研究発表会に行きますが、この3校も南小松島幼と同じパターンなのです。平木小で出会い、その後数回のデートを重ね、研究会当日を迎えます)
いい出会いをさせて頂きました。「出会い」「気づき」「広がり」 まさにその通りでした。
 
 斎藤紀子園長先生はこの3月で定年退職を迎えられます。とてももうすぐ60には見えない若々しいカッコイイ園長先生です(襟を立てた服が似合う59歳です)。 研究会の最後に斎藤園長の謝辞がありましたが、その時一番後ろでそっと耳を傾けておられる年寄りの方がいらっしゃいました。あとで聞くと、その方は斎藤園長のお父様だったのです。 85歳のお父さんが、60歳になる娘の最後の大仕事を見に来られていたのです。その話を聞いてジーンとしてしまいました。
 
 今回は、もう一つニュースがあります。ついに本が出来上がりました。チャチャーン、「教師力を磨く〜若手教師が伸びる10のすすめ〜」(大修館書店1680円)です。
 そして今日の研究大会で、この本が販売されました。できたてホヤホヤの本(2日前出来上がり)を斎藤園長先生が講演の後紹介して下さり、なんと80冊も売れたのです。すご〜い、すごい、自分でもホンマびっくりでした。購入して頂いた先生方、ありがとうございました。
(本の詳しい情報は、また後日に書かせていただきます。)
 
 

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2006年10月22日
子どもの未来への応援団
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 ここ数日テレビや新聞で「いじめ」の問題が大きく取りあげられています。心がとても痛みます。つらい事件が多すぎます。ほんと悲しいです。そして過熱する報道にも閉口し、テレビのスイッチを切ってしまいます。いじめた子が悪い、それを見逃した先生が悪い、それを隠蔽しようとした教育委員会が悪い・・・・と非難はいくらでも出来ます。でもそれだけでは何の解決にもなりません。本質的な所やそれを他人事として非難する自分をどう振り返るかが私は大事だと思っています。
 
 昨日、元気塾での新任3年目の若い先生の実践発表に私は感動し涙が出そうになりました。自分の指導力の未熟さを反省しながらも、毎日必死で子どもと向き合う若手教師の奮闘に胸が熱くなりました。この先生は殺伐とする子どもたちを何とかしようと、ある試みをされました。「南中ソーラン」への取り組みです。(この取り組みは金八先生のドラマでも取りあげられました) 4時間ぶっ通しでビデオを見せたり、子ども自身が自分で動き出すのをひたすら待ったり、ここだという時には時間をたっぷり取りながら子どもと真剣勝負をしていくのです。時には子どもたちの不甲斐なさに怒って教室を飛び出してしまう先生。でも先生の熱意に動かされ、殺伐としていた子どもたちは見事に変わっていったのです。友だちがいるから自分もここにいる、人はこうやって支え合いながら生きている、心を一つにして頑張ることは心地よい、そんな 「素敵な体験」 を 「心の銀行」 に貯めていったのです。途中、もめ事もありました。小さないじめもありました。でもそれよりも 「もっといいもの」 を子どもたちは見つけたのです。授業をつぶして話し合ったこともありました、算数の進度が遅れたこともありました。でもその後の子どもたちは、算数の時間に教え合いをしながら、お互いが伸びていこうと踏ん張るのです。分数ができない子のそばに寄り添い、一緒に考えていくのです。これが仲間なのです、これが学習なのです、これが教室です。これが学校のすばらしいところなのです。
 
 学力低下だ、教師の質が低い、授業時間を減らすな、道徳教育が必要だ、安全第一だ、競争させないとダメだ、・・・・・と子どもも教師も学校も次々に課題を課せられ、追いつめられています。もっともっと子どもにも先生にも余裕をあたえて欲しいのです。教育には時間がかかるのです。「強制」や「競争」、「効率化」の言葉はあわないのです。
 いじめの過熱報道もいいですが、こんな若手教師の奮闘ぶり、こんな子どもたちの生き生きした姿をもっと報道して欲しいですね。そんな報道をみた子どもたちは 「私たちもあんなふうになりたい」 って憧れるのです。本当は子どもはいじめなんかしたくないのです、みんなと仲よく力いっぱい活動したいと願っているのです。それをかなえてやるのが大人の役目なのです。 そう、私たち大人は 「子どもの未来への応援団」 なのですから・・・。
 

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2006年10月21日
「明日書こう」 はダメ!
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 久しぶりのブログ更新です。何人かの方から「最近ブログが更新されていませんね」と言われていました。かつて、クラスの子どもから「先生、最近学級通信出てないね」って言われたことがありましたが、それとおんなじですわ。今日はこれを書こうと思いつつ 「明日書こう」 と寝てしまっていました。そういう時は結局翌日も書かないままになります。書こうと思った時にすぐに書くことが大事です。これが学級通信を続けていく秘訣です。そんなふうに人にはえらそうに言いつつ、自分も書けないのです、トホホホ。
 
 前回、金沢でのことを書いてからもいろいろな出来事がありました。佐賀県伊万里市での高校の先生相手に話をしたことや、「のじぎく兵庫大会」(全国障害者スポーツ大会)での大矢勇気さんの優勝(スラローム・大会新記録)と準優勝(車いす100m・記録は昨年より10秒短縮) それから京都府福知山市や大分県九重町に行った事や、人間ドッグの報告に、島根県松江での講演会の事など、それに最近のいじめ等の暗いニュースなど書きたいことはたくさんありましたが、ノビノビで今日まで来てしまいました。 毎日、私のHPを開いてブログを見て下さっていた方、体の事を心配して下さっていた方、ホントすみませんでした。私のサボりでした。
 
 今日21日は、月に一回の元気塾でした。33名の若い先生たちと今日も元気に勉強しました。今日は 「授業の腕をあげる指導案の書き方」 ということで研修しましたが、若い先生方の熱気が伝わってきて、つい私も熱くなって語ってしまいました。ちょっと熱くなりすぎたかなと反省もしています。でも若い先生に言いたいです。絶対に研究授業は自分から手を挙げてするのですよ。授業のうまい先生にならないとだめですよ、って・・・。
 今回は、その研修の前に、西宮・鳴尾北小学校の矢野沙央里先生(3年目)の 「へたれ卒業」 という実践報告がありましたが、矢野学級のドラマに目頭があつくなってしまいました。ええ先生になってきたなって感心しながら聞いていました。 教師は、やっぱり真剣勝負ですね。 
 
「 しんどいことしたらええことあるで 」(松田満先生)
 

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Posted by naka602 at 16:39 | TrackBack (0)


2006年10月9日
子どもを育む金沢フォーラム
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 7,8日と金沢に行ってきました。金沢市は5年前に「金沢子ども条例」を制定し、「社会全体で子どもを育てていくまち」 として動き出しています。今週は 「金沢子ども週間」 として位置づけられ、各地でイベントが催されていますが、私はその一つである「子どもを育む金沢フォーラム」での講演とシンポジウムのコメンテーターとして参加させていただきました。
 シンポジウムでは 「子どもの居場所」 というテーマで、3つの団体からの報告がありましたが、それぞれすばらしい実践で、金沢の子たちはこんな大人がいて幸せやあって思いましたね。とってもよかったです。最後に私にもコメントがもとめられ、それぞれの実践を次のような言葉でまとめさせてもらいました。
・小坂公民館・・・大人が動き始めると、必ず子どもは元気になっていきます。
・弥生小PTA・・・大人が続けていくと、必ず子どもに伝わっていきます。
・自遊創生団・・・大人が待ってやると、必ず子どもは動き出します。
 
 翌日は 「児童館フェスティバル」 も見学しましたが、すごかったですね。それぞれの児童館の熱のこもった演技等に圧倒されました。大人も子どもも本当に楽しそうでした。
 私は講演で、「大人は 『子どもの未来への応援団』 です」 っていつも話すのですが、金沢のまちは、まさに 「子どもの未来への応援団」 です。 ホントいいまちですね金沢は。 
ある人が言いました 「我が子は『我が子』であると同時に『社会の子』です。子どもは社会で育てていくものなのです」
 
※金沢での講演は、昨年来3回目ですが、今回も夜は楽しい会に誘っていただきました。徳田さん、藤木さん、島さん、竹本さん、橋高さん、本当にありがとうございました。楽しいし、おいしいし、あっという間に時間が過ぎていきました。また徳田さんと藤木さんには、合間をぬって観光にも連れていっていただきました。北島三郎ではありませんが 「加賀のひと」 に会えてホンマ幸せです。 自宅に帰ってからまた言われました 「お父さん、金沢の旅行どうやった?」 「旅行じゃないぞ、仕事や仕事や」 と言いながら、気持ちはやっぱり 「金沢旅行」 でした。 あー楽しかった!
 

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2006年10月5日
友野監督、全国優勝おめでとう!
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 今日は、兵庫国体「少年ボクシング」の会場に応援に行ってきました。
 9月に友野聡一先生(兵庫県少年ボクシングチーム監督)からハガキが届きました。
 「数年前には恥ずかしくて初詣の絵馬にも書くことをためらった『全国制覇』が手の届くところにあります。選手たちの『拳に賭けた夢をつかむ」 ために頑張ります」
 
 友野先生は年下ですが、私が尊敬している先生です。私は小学校、友野先生は中学校、道をはさんでの小・中学校の同じ同和教育推進教員として一緒に活動してきた仲間です。 もう15年くらいのつきあいになります。 よく小中連携が大事といわれますが、ほとんどの場合はカリキュラムの系統等のハード面の連携が中心です。私たちももちろんハード面の連携もしていましたが、一番大事にしていたのは、「子どもの理解」でした。 「小中9年間で一緒に子どもを育てよう」 を合い言葉にして、あの子この子たちを同じ見方で、同じ方向を向いて一緒に関わっていきました。
 小中でよく連絡を取り合っていましたが、ある時、急な事件が起き、すぐにその子の家に急行すると、そこには友野先生もすでに駆けつけてくれていました。「連携や共通理解」とは、こういうことかなと何だかうれしかったことを今もよく覚えています。
 
 その後、私は他の小学校を経て市教委に、友野先生はやんちゃな子を追って、なんと定時制高校(夜間)に転勤し、その学校のボクシング部の顧問になりました。 ある日の夜、私は練習を見学させてもらいました。ボクシングって間近で見るとホント凄いです。あのスピード、あの音に圧倒されました。子どもたちのパンチをグローブでバンバン受け止める友野先生の姿は、まさに「教師が子どもを受け止める姿」に私には映りました。やんちゃな子や心が傷ついた子が、思いっきりぶつかっていき、それを友野先生が体ごと受け止めているのです。感動のシーンでした。 
 初めての卒業式、友野先生から「見に来てやってください」と連絡が入り、私は初めて夜間高校の卒業式に出席しました。いろんな服装いろんなパフォーマンスをしてくれる卒業生に涙が出るほど笑わせてもらいました。そして最後に一番やんちゃな奴が答辞を読み上げます。今度は感動の涙が頬をつたっていきました。
 そんな子どもたちを育てている友野先生です。
 
 今日はボクシングの最終日。6年目にしての念願の全国制覇についに手が届きました。
「友野監督、本当におめでとうございます!」
子どもたちのがんばりに大拍手です。ホンマいいシーンを見せてもらいました。
 会場には友野先生の奥様、そして息子ちゃんも応援に来ていました。私は息子ちゃんに思わず言ってしまいました。「お父さん、かっこいいなあ」 息子ちゃんは少し恥ずかしそうに笑顔を見せながら小さくうなずいてくれました。

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Posted by naka602 at 11:20 | TrackBack (0)