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2009年12月
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CMEグループが、CDSの清算業務を開始
米国のCMEグループでは、傘下の「CME Clearing」を通じて、CDS(クレジット・デフォルト・スワップ)の清算業務を12月15日からスタートさせた。
対象となるのは、Markit社のインデックスである。
米国では、すでにICE(インターコンチネンタル取引所)グループが、2009年3月より、CDSの清算業務を始めており、米国では2つ目のCDSのCCPとなる。また、欧州でも、EurexとICE Clear Europeの2社が2009年7月より、CDSの清算を開始している。EurexとICE Clear Europeでは、それぞれインデックスのCDSのほかに、シングルネームのCDSの清算を行っている。
今後、これらのうち、どのCCPが多くの取引を獲得し、中心的なCCPとなっていくのかが注目される。
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米 国
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欧 州
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CCP
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CME Clearing
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ICE Trust
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ICE Clear Europe
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LCH.
Clearnet SA(仏)
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Eurex
(Eurex Credit Clear)
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開始
時期
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09年12月
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09年3月
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09年7月
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09年末
(予定)
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09年7月
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詳しくは、ここから。
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2009年12月
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クリアストリームが排出権取引の決済サービスを開始予定
クリアストリーム(Clearstream Banking Luxemburg)が、排出権取引(carbon trading rights)のカストディと決済のサービスを計画していることが明らかとなった。
このサービスは、「Gema」(Global Emissions Market Access)と呼ばれ、2010年2月に開始される予定である。
このサービスは、EUの排出権取引(EU Allowances and Certified Emission
Reductions)を対象としたものになる。
排出権取引の市場参加者は、クリアストリームへの既存のアクセス手段を使って、取引の通知等を行うことができる。クリアストリームでは、排出権取引用の専用コード(identification code)を割り振って、証券と同様に決済を行う。
世界銀行によると、2008年の排出権取引は、860億ユーロと前年の2倍の規模に膨らんでおり、この殆どをEUの排出権取引が占めている。
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2009年12月
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英国が2018年に手形交換を廃止へ
英国の決済協議会(Payments Council)は、12月16日に理事会を開き、2018年10月31日をもって、手形交換業務(central cheque clearing)を廃止する方針を決定した。
デビットカードや銀行引落しの普及などにより、小切手の利用が減少していることが背景にある。英国での小切手は、350年の歴史がある。
ただし、今回決めたのは、廃止目標(target date)であり、実際に廃止するかどうかの最終決定(final
decision)にあたっては、2016年にもう一度、最終的な検討(full review)を行うこととしている。
英国には、現在3ヵ所の手形交換所(イングランドとウェールズ、スコットランド、北アイルランド)があり、銀行業界の年間の小切手の処理費用は14億ポンド(約2,000億円)にのぼるものとみられている。
英国の小切手は、ピーク時の1990年には、1日当り1,100万枚に達したが、その後は減少に転じた。2007~08年には、Sainsbury’s、TESCO、Marks
and Spencer、ASDAなどの小売業が相次いで、小切手の受取りを中止していた。このため、2008年には、小切手は1日当たり400万件弱であったのに対し、デビットカードによる決済が、1日当たり1,480万件と逆転している。
但し、成人人口のうち、54%が2008年中に小切手による支払を行っており、48%が小切手を受取るなど、小切手の利用は未だに根強いものがある。
詳しくは、ここから。
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2009年8月
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Eurex Credit Clearがシングル・ネームCDSの清算業務を開始
Eurex Credit Clearでは、8月28日、シングル・ネーム(個別会社)を対象としたCDS(Credit Default Swap)の清算業務を開始したことを公表した。
CDSの清算業務を手がけているCCP(清算機関)は、このほかにも、ICE Trust(米国)、ICE Clear Europe(欧州)などがあるが、いずれも、インデックスに基づくCDSのみを対象としており、シングル・ネームのCDSを対象とするのは、Eurex Credit Clearが世界で初めてとなる。
初めての清算の対象となったのは、RWE社(ドイツのエネルギー会社)で、取引金額(notional value)は、5百万ユーロであった。
わが国でも、金融庁がCDSの取引について、認定する清算機関の利用を義務付ける方向で検討に入ったことが報道されている(日経新聞8月28日付け)。
詳しくはここから。
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2009年8月
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LiffeがCDSの清算業務を停止
NYSE Euronextの子会社であるLiffe(ロンドン国際金融先物取引所)では、7月29日付けで、CDSの清算業務を停止したことを明らかにした。
Liffeでは、2008年12月22日に、欧州では初となるCDSの清算業務を開始していたが、十分なユーザーを集めることができず、開始から7ヵ月で失敗に追い込まれた。
Liffeでは、業務の再開については「検討中」としているが、このまま撤退となる可能性が強いものとみられる。
7月末からは、「ICE Clear Europe」と「Eurex
Credit Clear」の2社のライバルがCDSの清算業務を開始しており、特にICEが順調なスタートを切っていることが伝えられている。
詳しくは、ここから。
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2009年7月
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ICE Clear Europeが、CDSの清算業務を開始
米国のインターコンチネンタル取引所(ICE)では、7月29日から、欧州の清算子会社である「ICE Clear Europe」でCDS(クレジット・デフォルト・スワップ)の清算業務を開始したことを発表した。清算の対象となるのは、iTraxxのインデックス取引である。
ドイツの清算機関であるEurex Clearingでも、7月30日から、CSDの清算業務(「Eurex Credit Clear」)開始することを発表しており、2社が欧州市場でほぼ同時にCSDの清算業務を始めることになる。
ICE Clear Europeのクリアリング・メンバー(清算会員)としては、バンカメ、Citi、ゴールドマン・サックス、JPモルガン、モルガン・スタンレーなどの米国勢と、バークレイズ、クレディ・スイス、ドイチェ、HSBCなどの欧州の有力金融機関が参加するものとされている。
すでに、米国では「ICE Trust」が、欧州ではLCH.Clearnet
Ltdの「Bclear」がそれぞれ稼動を開始しており、これで欧米におけるCSDの清算機関は4つとなる。CME/Citadel(米)とLCH.Clearnet SA(仏)が、このあと、さらに同業務に参入する構えである。
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米国
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欧州
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CCP
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CME
/Citadel
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ICE Trust
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ICE Clear Europe
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LCH.
Clearnet SA(仏)
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NYSE Liffe
/LCH.Clearnet Ltd
(Bclear)
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Eurex
(Eurex Credit Clear)
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開始
時期
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SECの認可(09年3月)
09年ⅢQ
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09年3月
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09年7月
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09年末まで
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08年12月
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09年7月
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詳しくは、ここから。
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2009年7月
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CPSSがメンバー国を大幅に拡充
BISの決済システム委員会(CPSS)では、従来14先であったメンバーを大幅に拡大し、新たに9カ国のメンバー国を追加したことを公表した。
従来からのメンバー国(14先)
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新規のメンバー国(9カ国)
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ベルギー
カナダ
欧州中央銀行(ECB)
フランス
ドイツ
香港
イタリア
日本
オランダ
シンガポール
スウェーデン
スイス
英国
米国
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オーストラリア
ブラジル
中国
インド
メキシコ
ロシア
サウジアラビア
南アフリカ
韓国
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従来のメンバー構成は、歴史的な経緯もあって先進国中心であり、また欧州勢の比重が高かったが、今回は、アジア・中南米などの新興国を中心に拡充を図ったかたち。
従来、アジア太平洋地域からは、日本のみの参加であったが、今回の拡充により、アジア太平洋勢は、一挙に5カ国となった。
会議の運営上は、いろいろと大変になることが予想される。
詳しくは、ここから。
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2009年7月
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Eurex Clearingが、7月末にCDSの清算業務を開始へ
ドイツの清算機関(CCP)であるEurex Clearingでは、7月24日、CDS(クレジット・デフォルト・スワップ)の清算業務を7月30日から開始することを発表した。
この清算サービスは、「Eurex
Credit Clear」と呼ばれる。
対象となるのは、当面は、①iTraxxのインデックスと、②17社のシングル・ネーム(個別企業銘柄)である。
今後は、シングル・ネームの社数をiTraxxのインデックスを構成する全社(full coverage)に拡大していく方針である。
Eurex Credit Clearは、米国DTCCの「TIW」(Trade Information Warehouse)と相互接続されているのが特徴であり、取引の照合から清算までのSTP化が可能となっている。
この清算サービスは、ロンドン市場のマーケット参加者も利用可能となる見込みである。
(背 景)
米国・欧州では、サブプライム金融危機時の反省から、CDS取引について、CCPの利用を義務付ける方向で、規制当局が動いている。米国では、Fedと財務省、欧州では、欧州委員会が中心となって義務付けに動いている。
すでに、米国では「ICE Trust」が、欧州では、LCH.Clearnet
Ltdの「Bclear」がそれぞれ稼動を開始しており、Eurex Credit Clearは、欧米では、3つ目のCSDの清算サービスとなる。
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米国
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欧州
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CCP
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CME
/Citadel
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ICE Trust
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ICE Clear Europe
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LCH.
Clearnet SA(仏)
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NYSE Liffe
/LCH.Clearnet Ltd
(Bclear)
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Eurex
(Eurex Credit Clear)
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開始
時期
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SECの認可(09年3月)
09年ⅢQ
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09年3月
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09年上半期
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09年末まで
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08年12月
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09年7月
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(日本の動向)
わが国においても、「東京証券取引所グループ」と「東京金融取引所」が、店頭デリバティブ取引について、清算サービスの提供を目指すべく、それぞれ検討会を設置して検討を行い、2009年3月・4月にそれぞれが報告書を公表した。
その後、2009年5月には、JSCCと東証が「OTCデリバティブに係る清算業務検討ワーキング・グループ」を設置して、金利スワップ取引およびCDS取引を対象とした清算サービスの提供について実務的な検討を行っている。
詳しくは、ここから。
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2009年7月
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日本銀行が、「新日銀ネット」の構築に関する基本方針を公表
日本銀行では、7月17日、現行の「日銀ネット」を全面刷新する「新日銀ネット」の構築に関する基本方針を公表した。
現行の日銀ネットは、1988年に稼動を開始しており、20年以上が経過して、システムの更新時期にあたっている。
(1)見直しの主なポイントは、以下のとおり。
①稼働時間の大幅な拡大
現行の稼働時間は、資金決済が10時間、国債決済が7.5時間であるが、新日銀ネットでは、稼働時間を欧米並みの20時間以上に大幅に拡大することを可能にする計画である。
(注)たとえば、米国のFedwireの資金決済の稼働時間は、21.5時間である。
②流動性節約機能の対象取引の拡大
国債以外の証券(株式、一般債、投信等)のDVPの資金決済を、流動性節約機能を使って行うことを可能にする。
③共通担保の法人単位化
共通担保の管理を「店舗ごと」とするのを止め、「法人単位」での管理とする。
④国債DVP同時担保受払機能における専用の口座と担保の廃止
同機能においては、「専用の当座勘定」(同時担保受払時決済口)と「専用の担保」(同時受払担保)が必要となっているが、これらを廃止し、通常の「当座勘定」と「共通担保」に統合する。
⑤同時処理・一般処理の廃止
オペ関連などで一部に残っていた同時処理・一般処理を廃止し、RTGS処理に一本化する。
(2)構築スケジュールは、以下の通りである。
2013年度を目処
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オペ関連、国債の入札関連等を先行的に稼動させる。
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2015年度を目処
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残りの部分を稼動させる。
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詳しくは、ここから。
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2009年7月
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欧州の27のCSDがT2Sに関する覚え書に調印
7月16日に、「T2S」(TARGET2-Securities)に関する覚え書(MoU:Memorandum of Understanding)の調印式がフランクフルトにおいて行われた。調印式には、ECBのトリシェ総裁が出席してスピーチを行っており、ECBが同プロジェクトをいかに重要視しているかが窺われる。
この覚え書は、欧州各国の証券決済機関(CSD)が、「T2Sプロジェクト(注)」に参加することを正式に確約するものであり、同プロジェクトは、これでまた大きく一歩前進したことになる。
今回、覚え書に調印したのは、全部で27のCSDである。
国ベースでみると、全部で25カ国であり、内訳は、ユーロ圏16カ国、非ユーロ圏のEU加盟国7カ国、EU域外国2カ国である(下表を参照)。
このうち、デンマーク、リトアニア、スウェーデンについては、ユーロ建て証券のほか、各国通貨(national currency)建ての証券についても、T2Sでの決済に移行することを確約(confirm)している。
しかし、帰趨が注目されていた英国のポンド建て証券については、今回、参加が見送られた。イングランド銀行(BOE)では、6月8日付で、ECBにレターを出しており、この中で、①ポンド決済が、T2S決済の一部として、ECB理事会のコントロールの下で行われることには満足できず、T2Sのガバナンスの見直しが必要であること、②T2Sにおけるポンド決済部分のコストについての提示が必要であること、の2点を懸念として指摘していた(いわば、ポンド建て証券については参加しないための「イチャモン」をつけていた)。
また、最も強硬にT2Sプロジェクトに反対し、一時は参加が危ぶまれていたユーロクリア・グループのCSD(フランス、英国、オランダ、ベルギー、スウェーデン、フィンランド)は、最終的には、欧州内での孤立を避けるために、T2Sに参加することになった。
(注)T2Sプロジェクトは、欧州各国のCSDの証券口座をECBの資金決済システムである「TARGET2」に集約して、欧州内の証券決済を一元化して行おうとするプロジェクト。これにより、各国CSDで分散して行われているユーロ建ての証券決済が集約化されることになり、EU内のクロスボーダー証券決済のコストが大幅に低下することが見込まれている。T2Sは、現在、システム・デザインのフェーズにあり、2010年入り後にシステム開発のフェーズに入り、2013年に6月に稼動を開始する予定。
▽T2Sに関する覚え書に調印した国(計25カ国)
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国 名
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ユーロを導入済み
(ユーロ圏:16カ国)
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ドイツ、フランス、イタリア、スペイン、ベルギー、オランダ、ルクセンブルク、オーストリア、フィンランド、ポルトガル、アイルランド、ギリシャ、スロベニア、キプロス、マルタ、スロバキア
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EU加盟国だがユーロは未導入(7カ国)
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英国、スウェーデン、デンマーク、ルーマニア、エストニア、ラトビア、リトアニア
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EU域外国(2カ国)
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スイス、アイスランド
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詳しくは、ここから。
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2009年6月
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業界グループが、NY連銀にOTCデリバティブのリスク強化を約束するレターを発出
米国の大手金融機関などによる業界グループでは、6月2日に、NY連銀に対して、CDS(クレジット・デフォルト・スワップ)などのOTCデリバティブ取引について、今後のリスク強化のスケジュールを示したレターを発出した。
このレターには、以下のような内容が含まれている。
①CCPを通さないすべてのCDS取引について、2009年7月17日までに登録センター(trade repository)に登録を行うこと。
-これにより、監督当局のモニタリングが容易となる。
②CDS取引のすべての取引参加者(特にバイサイド<投資家サイド>)が、12月15日までに、CCP(清算機関)を利用するようにすること。
③CCPの取り扱い商品を拡大すること。2009年中には、シングル・ネーム(個別企業銘柄)のCDSとOIS(Overnight Index Swap)を対象に加える。2010年には、インデックス型のCDSを追加する。
NY連銀では、こうした業界の取り組みを歓迎するコメントを発表している。
詳しくは、ここから。
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2009年6月
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クリアストリームが、T2Sに関するECBとの覚え書に調印
クリアストリームでは、ドイツのCSD(証券決済機関)であるCBF(Clearstream Banking Frankfurt)とルクセンブルクのCSDとしてのCBL(Clearstream Banking Luxembourg)が、T2S(TARGET2-Securities)に関するECB(欧州中央銀行)との覚え書に調印する意向であることを表明した。
この覚え書は、3月19日に、ECBから欧州の各CSDに提示されたものであり、T2Sに参加するCSDは、6月末までにサインすることが求められている。この覚え書は、CSDとして正式にT2Sに参加することの意思表明(commitment)を行うものである。この覚え書への調印の意向を表明したのは、クリアストリームが初めてである。
T2Sは、欧州各国のCSD(証券決済機関)の証券口座をECBの「TARGET2」に集約して、ユーロ圏の証券決済を一元化して行おうとするプロジェクトである。各国のCSDでは、T2Sによって、メイン業務である決済業務を奪われることになるため反対論もあったが、ECBでは、反対論を説き伏せて、T2Sプロジェクトの開始を正式に決定している。T2Sは、2013年の稼動開始を予定している。
一方、クリアストリームは、欧州の8つのCSDをリンクする「リンクアップ・マーケット」のプロジェクトの主導者でもあるが、クリアストリームでは、同プロジェクトについても、同時に進めていく意向を明らかにしている。つまり、T2Sによって提供されない、資産管理サービス(asset servicing)など、決済サービス以外のサービスをリンクによって提供していく予定である。
詳しくは、ここから。
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2009年5月
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米財務省がOTCデリバティブの規制改革案を公表
米財務省では、5月13日に、「OTCデリバティブの規制改革案」(Regulatory Reform OTC Derivatives)を公表した。
骨子は、以下の通り。
(1)清算機関(CCP)の利用義務付け
すべての標準的なOTCデリバティブについて、「当局の認定する清算機関」(regulated CCP)の利用を義務付ける。
(2)取引主体に対する規制の強化
ディーラーや大きなポジションを有する取引主体に対して、
①自己資本規制を導入する
②業務遂行上の標準を設ける
③当局への報告義務を課す
(3)取引量やポジションについての透明性の確保
①CCPで清算されない取引については、取引収納所(trade repository)への報告を義務付ける。
②CCPと取引収納所では、データを合計して、市場のポジション(open position)や取引高を公表する。
③CCPと取引収納所では、各取引主体の取引やポジションについて、当局に報告する。
④標準的な取引については、OTC取引から取引所取引や電子的な取引システムに移行させる。
⑤タイムリーな取引の報告や、価格などの情報を迅速に集計するためのシステムを開発する。
米財務省では、これらを実現するために、商品取引所法(CEA:Commodity Exchange Act)や証券関連法を改正することとしており、今後は議会での調整が行われることとなる。実際に法律が制定され、この規制改革案が実行に移されるまでには、また相当の時間がかかる見込みである。
詳しくは、ここから。
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2009年5月
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LCH.Clearnetが複数のMTFの第2CCPへ
LCH.Clearnetは、5月上旬に相次いで、複数のMTF(注)に対して、CCPとして清算サービスの提供を行う予定であることを公表した。
対象となるのは、Turquoise、Chi-X、BATS、NYSE
Arca Europeの4つのMTFである。
これらのMTFは、すでにEMCFやEuroCCPなどがCCPとして清算サービスを行っており、LCH.Clearnetは、いずれも2つ目のCCPとなることになる。
同社では。これを「競争的な清算サービス」(competitive clearing)と呼んでいる。これらのMTFで取引を行う証券会社では、どちらか有利な(料金の安い)CCPを選んで、清算業務を委託することができる。
<LCH.Clearnetが清算サービスを提供予定のMTF>
MTF名
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第1CCP
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第2CCP
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概要
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CHI-X
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EMCF
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LCH.Clearnet
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2007年3月に取引を開始。欧州13カ国の900銘柄以上を取扱っており、欧州で第4位の証券取引所となっている。
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BATS
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EMCF
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LCH.Clearnet
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2006年1月に取引を開始。欧州主要国の約800銘柄を取扱う。FTSE100、CAC40などの指数の構成銘柄について、4%程度の取引シェアを占める。
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Turquoise
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EuroCCP
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LCH.Clearnet
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9行の大手投資銀行が共同で設立し、2008年9月に取引を開始。欧州15カ国の1,600銘柄を取扱う。
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NYSE Arca Europe
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EuroCCP
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LCH.Clearnet
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NYSEユーロネクスト・グループが設立したMTF。2009年3月に取引を開始。欧州11カ国の約400銘柄を取扱う。
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<コメント>
LCH.Clearnetでは、DTCCからの買収提案を退けたあと、4月30日には、清算手数料(clearing fee)を30%引き下げること(実施は7月1日から)を発表している。今回は、この引き下げ後の手数料を武器に、新規参入組のCCPに対して「ケンカを売る」かたちである。
欧州におけるCCP間の競争が激化することを意味しており、今後の生き残りをかけた戦いが火蓋を切ることとなった。
(注) Multilateral Trading Facilityの略。「多角的取引機関」または「多角的取引システム」と訳される。EUの「金融商品市場指令」(MiFID)により認められた証券取引所であり、既存の証券取引所と異なり、①1カ国内のみの株式ではなく、欧州域内の株式を広く取り扱うこと、②ブルーチップ銘柄など、流動性の高い優良銘柄のみを取引の対象とすること、③上場審査などは行わず、取引に特化していること、④既存の取引所と比較して、注文の処理スピードが早く、手数料が低いことを売り物にしていること、などが特徴である。
詳しくは、ここから。
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2009年4月
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DTCCがLCH.Clearnetとの合併を断念
米国のDTCCは、4月29日に、LCH.Clearnetとの合併を断念することを発表した。
DTCCでは、2008年10月に、LCH.Clearnetに対して合併を提案しており、その後交渉を続けていたが、LCH.Clearnet側がこの合併を進めることに合意しなかったため、断念せざるを得なくなったものとしている。
米国と欧州を対象とする巨大な清算機関(CCP)を築こうとするDTCCの野望が砕かれたことになる。
LCH.Clearnetに対しては、インターディーラー・ブローカーであるIcapを中心とする欧州勢12社のコンソーシアムが買収に向けて動いており、5月末までには最終的な買収提案を行う予定となっている。
この買収提案は、LCH.Clearnetに対する規制・監督がEUの中に止まることになるため、欧州の規制当局からは暗黙のサポートを受けているものと、市場ではみられている。
詳しくは、ここから。
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2009年2月
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DTCCによるLCH.Clearnetへの買収計画に欧州勢が対抗
2008年10月にDTCCによるLCH.Clearnetへの買収計画が公表されたが、米国勢による欧州最大の清算機関(CCP)の買収に反発した欧州勢が対抗する構えである。
報道によると、インター・ブローカー・ディーラーである「Icap社」が、ソシエテ・ジェネラル、モルガン・スタンレーなど8社の主要ディーラーとともに、DTCCの提案を上回る買収価格での買収提案を準備している模様である。
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2009年1月
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EuroCCPがスペインの株式の清算を開始
1.スペイン株の追加
EuroCCPでは、2009年2月からスペイン株式の清算(clearing)を行うと発表した。EuroCCPは、汎欧州証券取引プラットフォームである「Turquoise」の清算機関として、2008年9月から業務を開始しており、翌10月にはイタリアの株式を取り扱いに追加していた。
今回の追加により、これまでの14市場(7通貨)の1,500銘柄に加え、スペインの100銘柄が追加されることになる。
2.他市場の追加
EuroCCPでは、Turquoise以外の2つの取引プラットフォームも、清算の対象に加える予定である。
1つは、「SmartPool」であり、これは、NYSEユーロネクスト、HSBC、BNPパリバ、JPモルガンチェースが設立した「ダークプール」(匿名性が確保された<取引の価格・数量・当事者などが公開されない>環境で機関投資家同士が取引を行うプラットフォーム)である。
もう1つは、「NYSE Arca Europe」であり、従来「Octopus」と呼ばれていた取引プラットフォームである。
3.Turquoiseの市場シェア
Turquoiseの欧州市場(流動性の高い310銘柄)における市場シェアは、現在5%程度とみられている。
(注)EuroCCPは、米国DTCCの子会社であり、ロンドンに本社を置く。
詳しくは、ここから。
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2009年1月
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Fedが小切手の取扱い手数料を大幅に引き上げ
Fedでは、2009年1月から、紙ベースの小切手の手数料を2008年比で+41%と大幅に引き上げた。
これは、「21世紀小切手法」(Check 21)により、小切手の電子化(トランケーション)が急速に進んでいることを受けたものである。
2007年には、40%強であった小切手の電子化比率は、2008年8月には83%に達しており、2008年末には90%を上回るものとみられている。
このため、ボリュームが激減したペーパー・チェックの取扱い手数料を大幅に引き上げたもの。
また、紙ベースの小切手の処理を行う小切手処理センターについても、現在の全米45ヵ所から大幅に削減し、2010年までに、フルサービスを行うのは4ヵ所以下に集約化する計画である。
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